【介護福祉士になろう】第33回(令和2年度)介護福祉士国家試験 筆記試験問題解説

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問題65

〔〔事例〕〕
Mさん(78歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。
楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を、「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し、順調に経過していた。
1か月が過ぎた頃、朝の申し送りで、「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方、介護福祉職が入浴に誘うと、「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、Mさんは、「怖いから」と小声で言った。

Mさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 順調に経過していたときの状況を分析する。
2 「怖いから」という思いを解釈する。
3 入浴を断られた介護福祉職の思いを理解する。
4 入浴時間の変更を検討する必要があると判断する。
5 入浴を面倒に思っていると判断する。


正解は2です。

再アセスメントとは、支援計画が進んでいく中で、状況の変化や問題点を把握し、支援計画の修正や見直しを行うことです。Mさんが入浴を拒否するようになったことは、再アセスメントが必要な典型的な例です。

選択肢1は、過去の状況を分析することになりますが、問題の解決には直接的にはつながりません。選択肢3は、介護福祉職の思いを理解することも大切ですが、再アセスメントの観点からは直接的には関係ありません。選択肢4は、入浴時間の変更も一つの選択肢ではありますが、Mさんの拒否の原因を把握することが先決です。選択肢5は、Mさんの拒否の理由を決めつけた判断であり、適切ではありません。したがって、Mさんの再アセスメントにおいて最も重要なのは、Mさんが「怖いから」という思いを抱いていることを理解することです。このようにして、再アセスメントを行い、Mさんが安心して入浴できるような支援計画の修正を行うことが必要となります。

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