筆記試験日 | 令和2年1月26日(日) |
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合格発表日 | 令和2年3月25日(水) |
受験者数 | 84,032 |
合格者数 | 58,745 |
合格率 | 69.9% |
人間の尊厳と自立
問題1
Aさん(78歳,女性,要介護3 )は,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。72歳から人工透析を受けている。透析を始めた頃から死を意識するようになり,延命治療を選択する意思決定の計画書を作成していた。しかし,最近では,最期の時を自宅で静かに過ごしたいと思い,以前の計画のままでよいか気持ちに迷いが出てきたので,訪問介護(ホームヘルプサービス)のサービス提供責任者に相談した。 サービス提供責任者の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「この計画書は,医療職が作成するものですよ」
2 「一度作成した計画書は,個人の意向で変更するのは難しいですよ」
3 「意思確認のための話合いは,何度でもできますよ」
4 「そんなに心配なら,特別養護老人ホームに入所できますよ」
5 「この計画書は,在宅ではなく病院での治療を想定したものですよ」
1 「この計画書は,医療職が作成するものですよ」
厚生労働省において「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が定めれている。
同ガイドラインでは、人生の最終段階における医療・ケアの在り方は、「医療・ケアを受ける本人が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行」うことが必要である。
同時に「本人による意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療・ケアを進めることが最も重要な原則である」としている。
延命治療を選択する意思決定の計画書を、本人の意思を前提として定められなければならない。
本人の意思を考慮せず医療職が作成するものというのは、不適切である。
2 「一度作成した計画書は,個人の意向で変更するのは難しいですよ」
延命治療を選択する意思決定の計画書は、本人の意思を尊重して作成されるものである。
そのため当該計画書を本人の意向で変更することが難しいというのは、不適切である。
3 「意思確認のための話合いは,何度でもできますよ」
「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」では、以下のように定めれれている。
「本人の意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援が医療・ケアチームにより行われ、本人との話し合いが繰り返し行われることが重要である」
従って、意思確認のための話合いが何度でもできることを伝えたのは、適切な対応である。
4 「そんなに心配なら,特別養護老人ホームに入所できますよ」
問題部によると、Aさんは最期の時を自宅で静かに過ごしたいと思っている。
本人の意思を尊重するべき「人生の最終段階における医療・ケア」において、本人の意思に反する特別養護老人ホームへの入所を提案するのは、不適切である。
5 「この計画書は,在宅ではなく病院での治療を想定したものですよ」
Aさんは、最期の時を自宅で静かに過ごしたいと考えていることから、不安Aさんの気持ちに寄り添い在宅での医療継続を最優先にした対応をするべきである。