
職業を聞かれた時に「事務職」と答える人を良く見かけます。
就職や転職をするときに「事務職」を志望する人も特に女性に多いです。
皆さんは「事務職」と言われた時にどんなイメージをもつでしょうか?
広く解釈するとオフィスで行う内勤業務はすべて「事務」だとも言えなくもありません。
一体どこまでの業務を「事務」と捉えればいいのでしょうか?
その謎をすべて解き明かしましょう。
簡単な雑務を担う意味合いの「事務職」(いわゆる雑用係?)
女性の社会進出が進んだ今でも、特段ハイキャリア志向の強くない女性の多くが「事務職」を希望します。
この場合の「事務職」は、会社の業務の中核から外れた比較的簡単な事務作業や雑務を担当する職種として使われているのでしょう。
『事務のおねえさん』とか『事務のおばちゃん』などと会社の中で親しまれている場合も多いはずです。
特にハイキャリア志向がなく、外回りや現場仕事を敬遠してデスクワークの仕事がいいとの理由から、深く考えずに「事務職志望」とする人も多い印象です。
比較的小規模の会社では、経理や秘書業務なども幅広い業務を兼務して何でも屋さんとして振る舞う事例も少なくありません。
事務という曖昧な言葉だからこそ、当初考えていたよりも業務範囲が広くなってしまうこともあるのです。
事務職と秘書業務
事務職と似たような意味で使われることのある言葉として「秘書業務」があります。
社長や重役の身の回りのお世話やスケジュール管理などを行うことが一般的です。
偉い男性幹部のお気に入りの女性を付けて、重役のご機嫌を取ったり癒しを与える側面もあるでしょう。
お偉いさんの身の回りの簡単な雑務を行うという面では、事務職と似たような役割を担っているとも言えます。
実際に小さな会社では事務職と秘書業務を兼務しているケースも見受けられれます。
しかしこのようなマスコットキャラとして秘書業務以外にも、社長や重役の身近で会社の重要な経営企画業務に携わる場合もあるでしょう。
会社経営の重要事項に関して社長や重役の補佐をする場合の秘書は、COO(Chief Operations Officer)に近い役割を任されていると言えます。
実際に将来の幹部候補や出世街道をいく有力社員が秘書として、社長のサポートをしながら会社経営の中枢に携わることもあります。
このように一言に「秘書」と言っても多様な使われ方をしているのです
営業職に対しての事務職(いわゆるバックオフィス系の業務)
会社には外回りの営業職や顧客対応を専門にする従業員がいるでしょう。
直に顧客とやり取りして会社に利益をもたらす業務は、フロントオフィス業務と呼ばれます。
それに対して、人事や経理・総務などの企業運営を円滑に進めるための内勤業務をバックオフィス業務というのです。
会社の従業員の構成を大きく営業系か事務系かで二つに分けて説明することがあります。
実際に顧客と折衝し直接的な利益を生み出すのが営業系の仕事で、それ以外の内勤業務をすべて事務系と一括りしているのです。
外回りの営業を事務面でサポートする営業事務職として配置している会社も多いです
会社の具体的な部署や細かい業務を説明するのが気が引ける場合などは、大きく営業と事務でニ分割すると聞いてる人はわかりやすいのでしょう。
技術職や研究職に対しての事務職(非技術系の職員を事務系の職員と総称)
メーカーや製薬会社、IT企業には製品やシステムの設計開発を行う技術職の社員がいます。
最近では自社で使用するシステムを自社で開発したりメンテナンスを行うなど、会社内にITエンジニアを抱える企業も増えてきました。
これらの技術的な業務を担う社員に対して、それ以外の非技術的な業務を遂行する社員を総称して事務系の職員という場合もあります。
技術系社員以外の社員をまとめて事務系に分類しているため、外回りの営業職や顧客対応を行う社員も事務系に分類されるのです。
技術系との対比する場合、フロントオフィス業務もバックオフィス業務もまとめて事務系のお仕事とされることに注意が必要です。
事務職と総合職(事務系総合職は何でも屋さん)
日本の企業では特に新卒採用時に特定の職種に限定しない「総合職」として採用されることが多いです。
総合職として採用後に配属が決まり、数年おきに部署を移動しながらキャリアを重ねていくのが一般的でしょう。
なかには特定の部署で専門性に磨きをかけるキャリアプランもあったりしますが、基本的に総合職で採用されると本人に職種の決定権がないものです。
総合職は主に文系学生を対象に非技術系のあらゆる職種を担う人材としてさいようされるため、「事務系総合職」などと呼ばれることもあります。
この「事務系総合職」という場合の「事務系」は、エンジニアや研究開発職などほ技術系社員と対比する意味で用いられています。
つまり「事務系総合職」というと非技術系の何でも屋さんという位置づけで採用されていることになるのです。
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