最低賃金の最低限の知識!あなたはホントに最低賃金貰ってる?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る


最低賃金は労働者を雇っている事業主が遵守しなければならない、労働者に支払われる賃金の最低額です。

最低賃金の額は地域ごとに定められ、国の物価状況や経済状況が色濃く反映されます。

企業の利益のどの程度を労働者に分配するかは、消費者の需要を大きく左右するため、政府としても関心が高いのです。

よく耳にするものの今一つよくわかっていない最低賃金の基本を総ざらいしましょう。

最低賃金の適用される労働者の範囲


地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されます。

パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称の如何を問わず、すべての労働者に最低賃金が保障されなければならないのです。

特定最低賃金は地域ごとに定められ、特定地域内の特定の産業の基幹的労働者とその使用者に適用されます。

そのため18歳未満又は65歳以上の方、雇入れ後一定期間未満で技能習得中の方、その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する方などには適用されません。

なお一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています。

最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるためです。

ただし最低賃金の減額の特例が認められる労働者は、以下の場合に限定されています。
(1) 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
(2) 試の使用期間中の方
(3) 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
(4) 軽易な業務に従事する方
(5) 断続的労働に従事する方

なお、最低賃金の減額の特例許可を受けようとする使用者は、最低賃金の減額の特例許可申請書2通を作成し、所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出する必要があります。



歩合制(出来高払)の賃金って、実際どうなの?


賃金が労働時間ではなく仕事の出来高に応じて支払われるのが、歩合制の給与制度で、主にタクシー運転手やセールスマンなどの業務で採用されることが多いです。

労働法上は、「出来高払制その他の請負制」と規定され、仕事の出来高に関係なく、一定の賃金額を支払うことを使用者に義務付けています。

この最低保障は、原料の粗悪や仕事の繁閑によって労働者の受ける賃金が減少し、労働者の最低生活を脅かすおそれがあるためです。

個人事業主は、会社から貰う決まった金額の給料がありませんので、必然的に歩合制になります。

しかし、個人事業主の場合、誰かに雇用されているわけではありませんので、出来高制の最低保障も適用されないことになります。


出来高制は、成果によって給料が決まるシビアな世界なんですね。


労働基準法27条

出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。





最低賃金の驚愕の全貌


最低賃金法で規定される最低賃金制とは、国が賃金の最低額を法的強制力をもって規制しています。

使用者は労働者に対して、最低賃金より低い賃金を支払ってはならないことを義務付けられます。

この最低賃金制は、「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって労働者の生活の安定などに資すること(1条)」を目的としています。

また、最低賃金は時間によって定められるとされているため、一時間当たり一定の額以上の賃金を支払わなけらばならないことになります。

アルバイトやパートなどの求人広告では、よく給料が時給で提示されていますが、時給が最低賃金を下回る場合は、最低賃金法に違反すると考えられるわけです。

また、日給制や月給制の場合なども、労働時間で除した結果の1時間当たりの給料が、最低賃金を下回る場合は、最低賃金法に違反すると言えます。



ホントに最低賃金、超えてますか


使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。

この最低賃金に違反する労働契約の賃金の定めは無効であり、無効となった部分は最低賃金によることとされます。

つまり、最低賃金を下回る労働契約を労使間で締結しても、その契約は無効であり、最低賃金が適用されるのです。

一般的に労働契約は私人間の契約であり、その契約の内容はお互いの合意があれば原則自由です。このことを契約自由の原則と言います。

しかし、いくら当事者同士がお互いに合意したとしても、最低限のルールは守らなければなりません。

このように、いくら契約自由の原則といえども、当事者間の合意でも覆すことのできない最低限のルールを強行規定といいます。

最低賃金は、労使間の合意では覆すことのできない「強行規定」だと言えるわけです。

また、最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる賃金であって、以下の賃金は最低賃金の対象から除外されます。
  • 1か月をこえない期間ごとに支払われる賃金以外の賃金で、厚生労働省令で定めるもの
  • 臨時の賃金や賞与など、通常毎月支払われる給料以外の賃金などは最低賃金の対象ではありません。

  • 通常の労働時間又は労働日以外の賃金で、厚生労働省令で定めるもの
  • 時間外・休日労働・深夜労働に対する割増賃金は、最低賃金の対象ではありません。

  • 当該最低賃金において算入しないことを定める賃金
  • 家族手当、通勤手当、精皆勤手当などは最低賃金の対象ではありません。
最低賃金とは、ボーナスや残業代、通勤手当などの付随的な収入を除いた、毎月貰う基本的な給料における最低限の金額ということなんですね。


ボーナスや通勤手当を含めてはじめて最低賃金を超える場合、労働法違反ってことか。


最低賃金法1条

この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。



最低賃金法3条

最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。以下同じ。)は、時間によつて定めるものとする。



最低賃金法4条

1 使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。
2 最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。
3 次に掲げる賃金は、前二項に規定する賃金に算入しない。
 一 一月をこえない期間ごとに支払われる賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
 二 通常の労働時間又は労働日の賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
 三 当該最低賃金において算入しないことを定める賃金
4 第一項及び第二項の規定は、労働者がその都合により所定労働時間若しくは所定労働日の労働をしなかつた場合又は使用者が正当な理由により労働者に所定労働時間若しくは所定労働日の労働をさせなかつた場合において、労働しなかつた時間又は日に対応する限度で賃金を支払わないことを妨げるものではない。





最低賃金は守らなくていい場合もある


使用者は、一般の労働者と労働能力等が異なるため、最低賃金をそのまま適用することが必ずしも適当でない労働者に対して、最低賃金より低い賃金を適用することが認められる場合があります。

具体的には、以下のいずれかに該当する労働者に対しては、都道府県労働局長の許可を受ければ、最低賃金額から対象者の労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した額を、最低賃金額とすることができます。

(a)精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い労働者
(b)試用期間中の労働者
(c)職業能力開発促進法の認定を受けて行われる職業訓練のうち職業に必要な基礎的技能およびこれに関する知識を習得させることを内容とするものを受ける労働者
(d)軽易な業務に従事する労働者その他厚生労働省令で定める労働者


上記の場合のように極めて限定された場合において、さらに都道府県労働局長の許可を得ることで、最低賃金以下で労働させることも例外的に認められているのです。

労働者の最低限の権利を保証する労働法において、容易に労働者を低賃金下で労働させることは、認められません。

最低賃金法7条

使用者が厚生労働省令で定めるところにより都道府県労働局長の許可を受けたときは、次に掲げる労働者については、当該最低賃金において定める最低賃金額から当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した額により第四条の規定を適用する。
一 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
二 試の使用期間中の者
三 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項の認定を受けて行われる職業訓練のうち職業に必要な基礎的な技能及びこれに関する知識を習得させることを内容とするものを受ける者であつて厚生労働省令で定めるもの
四 軽易な業務に従事する者その他の厚生労働省令で定める者





実は最低賃金は二つある


最低賃金の決定方式には、一定の地域ごとの最低賃金である地域別最低賃金と、産業別最低賃金を継承したものであり、一定の事業または職業に係る最低賃金である特定最低賃金があります。

地域別最低賃金


賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、一定の地域ごとの最低賃金である地域別最低賃金は、あまねく全国各地域について、決定されなければなりません(9条1項)。

地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければなりません(同条2項)。

なお、労働者の能力、性別、個々の事業の経営状況などを考慮することにより、実質上最低賃金保障の趣旨を失わせかねない要素は、最低賃金の決定要素に含まれません(通説)。

また、「性別または年齢によって最低賃金の差を設けてはならない」との定めは存在しません。

最低賃金を決定する際の「労働者の生計費」を考慮するにあたっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮する必要があります(同条3項)。

働いても生活保護以下の収入しか得られない、ワーキング・プアをなくすため、都道府県ごとに毎年改定される最低賃金を生活保護水準以上となるようにした規定です。

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は,一定の地域ごとに中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて、地域別最低賃金の決定をしなければなりません。

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して必要があると認めるときは、地域別最低賃金の改正または廃止の決定をしなければならないことになっています(12条)。

地域別最低賃金を決める場合、最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴く必要が生じます。

派遣中の労働者については、派遣先の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額を適用します(13条)。



特定最低賃金


特定の職業や事業所などで適用される特定最低賃金は以下のように決定されます。

労使の代表は、一定の事業若しくは職業に係る最低賃金である特定最低賃金の決定や改正、廃止をするよう申し出ることができます(15条1項)。

特定最低賃金は、地域別最低賃金よりも高額の最低賃金を認める制度です。

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、特定最低賃金の決定等の申し出があった場合において、必要があると認めるときは、最低賃金審議会の意見を聴いて、当該申出に係る特定最低賃金の決定や改正、廃止の決定をすることができます(同条2項)。

派遣中の労働者については、その派遣先の事業と同種の事業又はその派遣先の事業の事業場で使用される同種の労働者の職業について特定最低賃金が適用されている場合には、その特定最低賃金を最低賃金額として適用します(18条)。



最低賃金の履行確保


最低賃金の適用を受ける使用者は、当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示したり、その他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければなりません(8条)。

決定に基づく最低賃金の支払いは、使用者の義務であり、この履行を確保するため、最低賃金の労働者への周知が義務付けられたものです。

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、最低賃金に関する決定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、決定した事項を公示しなければなりません。

最低賃金は、賃金の最低額を強制するものであるため、これに関する決定については、関係労使の権利義務に重大な影響を及ぼすものとして、公示が義務付けられています。

最低賃金法14条1項

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域別最低賃金に関する決定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、決定した事項を公示しなければならない。



最低賃金法19条1項

厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、特定最低賃金に関する決定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、決定した事項を公示しなければならない。



最低賃金を守らないとどうなるの?


厚生労働省が所管する労働基準監督署は、企業の労働環境を監督し、労働法に反する労働環境下にある企業を指導する機関です。

また、労働基準監督署および労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、最低賃金法の遵守等に関する事務をつかさどる行政機関でもあります(31条)。

労働基準監督官は、最低賃金法の目的を達成するため必要な限度において、使用者の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問する権限が与えられています(32条1項)。

労働基準監督官は、最低賃金法の規定に違反する罪について、刑事訴訟法の規定による司法警察員の職務を行います(39条)。

最低賃金の支払義務の定めに違反した使用者は、50万円以下の罰金に処せられます(42条)

なお、この罰則は、地域別最低賃金で定める最低賃金額を支払わなかった使用者にのみ適用され、特定最低賃金で定める最低賃金額を支払わなかった場合については、罰則の適用はありません。



賃金債権の履行確保


会社からもらう賃金は、労働の対価であると同時に、労働者の生活の拠り所でもあり、確実な給料の支払いが最重要です。

企業倒産の場合などにおける賃金支払確保のための特別措置を定める法律として、賃金支払確保法(「賃金の支払の確保等に関する法律」)があります。

企業経営が安定を欠くに至った場合、労働者が事業を退職する場合の賃金支払等の適正化を図るため、以下の措置が必要とされます。

・貯蓄金の保全措置
・事業活動に著しい支障を生じたことにより賃金の支払いを受けることが困難となった労働者に対する保護措置
・その他賃金の支払確保に関する措置を講じ、労働者の生活の安定に資すること

万が一にでも、労働者の給料が支払われないなんてことがないように、いくつかの保全措置が規定されています。


労働者から預かった預貯金は、必ず保全


労働者の貯蓄金を、その委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入れであるとき、一定の場合を除き、毎年3月31日における受入預金額について、貯蓄金の保全措置を講じなければなりません。

具体的には、労働者から預かっている貯蓄金を保全するために、金融機関との債務保証契約締結、信託会社との信託契約締結、質権または抵当権の設定などの措置を行わなければなりません。

また労働基準監督署長は、事業主が労働者から預かっている貯蓄金の保全措置を講じないときは、文書で当該事業主に対し、期限を指定して是正を命ずることができます。

賃金の支払の確保等に関する法律3条

【貯蓄金の保全措置】
事業主(国及び地方公共団体を除く。以下同じ。)は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入れであるときは、厚生労働省令で定める場合を除き、毎年三月三十一日における受入預金額(当該事業主が受け入れている預金の額をいう。以下この条において同じ。)について、同日後一年間を通ずる貯蓄金の保全措置(労働者ごとの同日における受入預金額につき、その払戻しに係る債務を銀行その他の金融機関において保証することを約する契約の締結その他の当該受入預金額の払戻しの確保に関する措置で厚生労働省令で定めるものをいう。)を講じなければならない。



賃金の支払の確保等に関する法律4条

【貯蓄金の保全措置に係る命令】
労働基準監督署長は、前条の規定に違反して事業主が貯蓄金の保全措置を講じていないときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主に対して、期限を指定して、その是正を命ずることができる。





退職金の保全義務


使用者は、労働契約、労働協約、就業規則などで労働者に退職手当を支払うことになっている場合は、退職手当の支払いに充てるべき積立金の保全措置を行うように努めなければなりません。

退職時の功労報償である退職金は、労働者の退職後の生活を支える重要な資金となることから、賃金に準じた保全措置が義務付けられているのです。

また、退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く)の全部又は一部をその退職日までに支払われなかった場合には、使用者が当該労働者に対し、当該退職日の翌日からその支払いをする日までの期間について、その日数に応じた遅延利息を支払わなければなりません。

賃金の支払の確保等に関する法律5条

【退職手当の保全措置】
事業主(中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)第二条第三項に規定する退職金共済契約を締結した事業主その他の厚生労働省令で定める事業主を除く。)は、労働契約又は労働協約、就業規則その他これらに準ずるものにおいて労働者に退職手当を支払うことを明らかにしたときは、当該退職手当の支払に充てるべき額として厚生労働省令で定める額について、第三条の厚生労働省令で定める措置に準ずる措置を講ずるように努めなければならない。



賃金の支払の確保等に関する法律6条1項

【貯蓄金の保全措置に係る命令】
事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下この条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあつては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わなかつた場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年十四・六パーセントを超えない範囲内で政令で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。





会社が倒産した後の未払賃金はどうなるの?


企業倒産により賃金を支払われずに退職した場合、労働者に対する未払賃金は、どうなってしまうのでしょうか。

このような企業倒産による未払賃金が生じた場合、その未払賃金のうちの一定額を、労災保険の社会復帰等促進事業の一環として、政府が事業主に代わって立替払いを行っています。

政府による未払賃金の立替払いを行うことができるのは、1年以上にわたって当該事業を行っていた、労災保険の適用事業に該当する事業の事業主が、以下のいずれかの要件に該当する場合です。
  1. 破産手続開始の決定を受け、または特別清算開始の命令を受けたこと
  2. 更生手続開始の決定、民事再生手続開始の決定または整理開始の命令を受けたこと
  3. 中小企業の場合、その事業活動が停止し、再開の見込みがなく、かつ支払能力がない事実上の倒産状態であることにつき、退職労働者の申請に基づき、労働基準監督署によって認定されたこと
また、立替払いを受けることができるのは、退職日の6カ月前の日以降立替払の請求の前日までの期間において支払期日が到来している定期給与および退職金であって、総額が2万円以上のものです。

さらに原則として、立替払対象賃金中の未払分の8割に相当する額が支払額となります。

勤めてる会社が倒産しちゃったときでも、政府が一定の条件で補償してくれるわけです。




賃金の支払の確保等に関する法律7条

【未払賃金の立替払】
政府は、労働者災害補償保険の適用事業に該当する事業(労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第八条の規定の適用を受ける事業にあつては、同条の規定の適用がないものとした場合における事業をいう。以下この条において同じ。)の事業主(厚生労働省令で定める期間以上の期間にわたつて当該事業を行つていたものに限る。)が破産手続開始の決定を受け、その他政令で定める事由に該当することとなつた場合において、当該事業に従事する労働者で政令で定める期間内に当該事業を退職したものに係る未払賃金(支払期日の経過後まだ支払われていない賃金をいう。以下この条及び次条において同じ。)があるときは、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百七十四条第一項ただし書及び第二項の規定にかかわらず、当該労働者(厚生労働省令で定める者にあつては、厚生労働省令で定めるところにより、未払賃金の額その他の事項について労働基準監督署長の確認を受けた者に限る。)の請求に基づき、当該未払賃金に係る債務のうち政令で定める範囲内のものを当該事業主に代わつて弁済するものとする。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*