一見自由に思える「みなし労働制」や「裁量労働制」に潜む罠☆自由には責任が伴う

人々の働き方は多様化している。

朝出勤して夕方~夜に退社する典型的なサラリーマンの働き方が、必ずしも一般的ではなくなってきているのだ。

情報通信機器が普及して、社員みんなが同じ時間にオフィスで顔を合わせる必要性が疑問視されている。

同じ会議室に一斉に人が集まり、必ずしも有用とは言い難い形ばかりの会議で仕事をしたつもりになっている非効率な働き方から脱却するときである。

ここでは、労働法でどんな柔軟な働き方が制度として規定されているのか見ていこう。

社会人の常識として当然知っておくべき知識ばかりだ。

「みなし労働時間制度」とは…


残業には法律で上限が定められていますが、性質上労働時間を掌握しにくい仕事もあります。

例えば外回りの営業職が典型ですが、一度オフィスの外に出てしまえば、逐一具体的な業務指示に基づかずに、ある程度労働者の裁量に委ねられるのが普通でしょう。

また近年急速に普及している自宅でのテレワークも、労働者がどの程度の時間仕事をしているか把握することは容易ではありません。

このように労働基準法では、個々の労働の形態の特殊性考慮して、労働時間の算定に関し特別の規定を設けています。

これらの「みなし労働時間」制度は、実質的にみれば社会的な実労働時間とは無関係に、初めから法律で一定時間働いたものと「みなして」しまう制度と捉えることができます。



オフィスの外で働く事業場外労働は、「みなし労働時間」制度の典型


事業場外労働とは、みなし労働時間制度の一形態であり外回りの営業マンである外交セールス、取材して記事を執筆する記事取材業務などで多用されています。

事業場外労働においては、労働時間の全部または一部が事業場外の労働となる場合で、労働時間を算定し難いときは、通常所定労働時間働いたとみなします。

事業場外労働に関するみなし労働時間制の対象となるためには、事業場外で業務に従事し、かつ、労働時間が算定し難い場合であることが必要です。

したがって事業場外で業務に従事した場合であっても、使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合には、みなし労働時間制は適用されません。

また事業場外労働において、業務の遂行のため客観的にみて通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合、業務に通常必要とされる時間を働いたとみなします。

業務遂行のために通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合まで、所定労働時間労働したものと「短縮」して扱うのは不当ですので、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」労働したものとみなしたものです。

事業場外労働において所定労働時間を超えて労働する場合には、労使協定で「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」を定めることができ、当該労使協定は厚生労働省令で定めるところにより、行政官庁に届け出なければならないとされます。

そしてこの届け出は、そこで定められた時間が法定労働時間を超える場合にのみ必要となるという点にも、注意する必要があります。(上掲「厚生労働省令」である労働基準法施行規則24条の2第3項)。

これは「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が法定労働時間の範囲内で労使協定として合意されている限り、その内容の適法性を公的に担保する必要はないといえるからです。

なお、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が法定労働時間を超える場合は、労使協定締結後、その超過時間につき改めて三六協定を締結し双方を届け出る必要が生じます。

しかしこれは煩わしいので、当該協定の内容を三六協定に付記する形式で届け出てもよいのです。
労働基準法38条の2

1 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
2 前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。
3 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。



労働基準法38条の2

3 法第三十八条の二第三項の規定による届出は、様式第十二号により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。ただし、同条第二項の協定で定める時間が法第三十二条又は第四十条に規定する労働時間以下である場合には、当該協定を届け出ることを要しない。 4 使用者は、法第三十八条の二第二項の協定の内容を法第三十六条第一項の規定による届出(労使委員会の決議の届出及び労働時間等設定改善委員会の決議の届出を除く。)に付記して所轄労働基準監督署長に届け出ることによつて、前項の届出に代えることができる。





複数事業場労働は二つ以上の職場で働く場合に適用


労働基準法38条1項では、事業場を異にする場合の労働時間は、通算して算定されます。

この規定は、事業主(使用者)の異なる複数の事業場で労働する場合にも適用されると解されます。

労働基準法は、事業場を適用単位とする建前を採っているため、労働基準法38条1項の「事業場を異にする」とは同一使用者(事業主)の下での複数事業場で労働する場合のみを指すと解することもできます。

しかし、労働者の最長労働時間を規制すべく労働時間規定を置いている労働基準法の本来の趣旨を考慮すれば、このように限定的に捉える必要はないのです。


副業をする人も増えてますが、複数の会社で雇われている場合は、合算した労働時間に対して労働基準法が適用されるのですね。



坑内労働は、坑口に入った時刻と出た時刻で決まる


坑内労働とは、みなし労働時間制の一形態です。

みなし労働時間制とは、労働時間規制の弾力化の一環として、労働時間計算について、実労働時間にかかわらず、一定時間数だけ労働したものとみなす制度です。

労働者が坑内で労働する場合は、休憩時間を自由に利用することができず、また業務の性質上悪条件の下におかれることになります。

労働基準法はこの点にかんがみ、労働者が坑口から入った時刻(入坑時刻)から坑口を出た時刻(出坑時刻)までの時間を、休憩時間を含めて労働時間とみなしたのです。

このように、入坑時刻から出坑時刻までの時間を、休憩時間を含めて労働時間として計算する制度を、坑ロ計算制といいます。


労働基準法38条

1 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
2 坑内労働については、労働者が坑口に入つた時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなす。但し、この場合においては、第三十四条第二項及び第三項の休憩に関する規定は適用しない。


自宅でテレワークが「みなし労働時間」とされる条件


自宅でテレワークを行う場合であっても、一定の要件を満たせばみなし労働時間制の対象となります。

労働者が事業場外で業務に従事し、かつ労働時間の計算が困難な場合には、みなし時間により労働時間を計算できる場合があります。

PCなどの通信回線を通じて常時指揮命令下に置かれているわけでない限り、自宅でのテレワークには一定の自由度と広い裁量権が認められていることが多いでしょう。

具体的には、以下に示すように通信回線を切断が労働者の意志で行え、具体的な業務指示が伴わない場合は、みなし労働として取り扱えるのです。

自宅でテレワークを行う場合、次の①②をいずれも満たす場合には、制度を適用することがでるのです。
① 情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと
以下の場合については、いずれも①を満たすものと認められます。
・勤務時間中に、労働者が自分の意思で通信回線自体を切断することができる場合
・勤務時間中は通信回線自体の切断はできず、使用者の指示は情報通信機器を用いて行われるが、労働者が情報通信機器から自分の意思で離れることができ、応答のタイミングを労働者が判断することができる場合
・会社支給の携帯電話等を所持していても、その応答を行うか否か、又は折り返しのタイミングについて労働者が判断することができる場合
② 随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと
以下の場合については、②を満たすと認められます。
・使用者の指示が、業務の目的、目標、期限等の基本的事項にとどまり、一日のスケジュール(作業内容とそれを行う時間等)をあらかじめ決めるなど作業量や作業の時期、方法等を具体的に特定するものではない場合

テレワークによるみなし労働時間制の場合でも、所定労働時間労働したものとみなすのが原則ですが、当該業務のために所定時間を超えて労働することが通常必要となる場合には、「通常必要となる時間」がみなし時間となります。



「裁量労働制」とは…


業務遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねるのが望ましい場合があります。

一部の専門的な仕事や労働者に大きな裁量権があり、使用者が具体的な指示をすることが困難であったり、不適切な場合は、労働時間の管理は難しいのです。

使用者の指揮命令下から独立して強い裁量権のもとに業務を行う場合、使用者が労働時間を区切ることは適切でありません。

このような場合に、実際の労働時間数にかかわらず一定の労働時間数だけ労働したものとみなすことができる制度を裁量労働といいます。



決められた労働時間が週40時間であれば、実際にどれだけの時間働いたかに関係なく、週40時間働いたとされるのが裁量労働制だね。





専門職(専門業務型)裁量労働制


専門職裁量労働制は、業務遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため業務遂行の手段・時間配分を使用者が具体的に指示しない業務について、労使協定の締結・届け出を条件に、協定所定の時間労働したものとみなすとするものです。

専門職裁量労働制の対象は、高度の専門性を有する以下の業務に限定されています。

  • 新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
  • 情報処理システムの分析・設計業務
  • 新聞・出版などの記事取材・編集業務または放送番組作のための取材・編集業務
  • 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
  • 映画・放送などのプロデューサー・ティレクター業務
  • 厚生労働大臣の指定する業務(コピーライター,公認会計士,弁護士,建築士,不動産鑑定士,弁理士,インテリアコーディネーター,税理士,証券アナリスト,金融商品開発,システムコンサルタント,ゲーム用ソフトウェア開発)


労働基準法38条の3

使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる時間労働したものとみなす。
一 業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この条において「対象業務」という。)
二 対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間
三 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。
四 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
五 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
六 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項



労働基準法施行規則24条の2の2

1 法第三十八条の三第一項の規定は、法第四章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用する。
2 法第三十八条の三第一項第一号の厚生労働省令で定める業務は、次のとおりとする。
一 新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
二 情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。)の分析又は設計の業務
三 新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十八号に規定する放送番組(以下「放送番組」という。)の制作のための取材若しくは編集の業務
四 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
五 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
六 前各号のほか、厚生労働大臣の指定する業務





企画業務型裁量労働制


事業の運営に関する事項についての企画、立案、 調査、分析の業務などの事務職全般を対象とする裁量労働制です。

実施には労働者本人の同意を必要とするなどの項目につき、使用者および事業場の労働者の代表を構成員とする労使委員会における決議を要することなどを要件としています。

一応の限定はあるものの、今までにない広範囲の事務職を対象としたみなし労働時間制度であり、専門職とは程遠く裁量労働といえないような業務に就く事務職労働者に対しても用いられます。

そのため、時間外・休日労働の割増賃金の支払いを免れるために悪用されることもある制度です。

事務職(企画業務型)裁量労働制の採用にあたっては、以下の要件を充たすことが必要です。

(要件1)対象業務
・事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査および分析の業務であること
・業務の性質上適切に遂行するにはその遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行手段および時間配分の決定などに関し使用者が具体的な指示をしない業務であること

(要件2)対象労働者
・対象業務を適切に遂行するための知識、経験などを有する労働者であることが必要

(要件3)労使委員会
・当該事業場に、以下の要件に適合する労使委員会を設けていることが必要
(ア)委員の半数は、過半数労働組合または労働者の過半数代表者により、任期を定めて指名されていること
(イ)当該委員会の議事につき、議事録の作成、保存、労働者への周知が図られていること
(ウ)その他命令で定める要件に適合していること


(要件4)労使委員会決議
・労使委員会において、対象業務の範囲、対象労働者の範囲、みなし労働時間、労働者の健康福祉確保のための措置、労働者からの苦情処理に対する措置、労働者の同意の取得および不利益取扱の禁止などにつき、5分の4以上の多数で決議することを要します。
・この労使委員会決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要。

(要件5)措置
使用者は、労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康・福祉を確保するための措置を、決議で定めるところにより講じます。
また使用者は、労働者からの苦情の処理に関する措置を、決議で定めるところにより講ずる。

(要件6)労働者の同意
・使用者は、労働者を対象業務に就かせたときは、労使委員会決議で定める時間労働したものとみなすことについて、労働者の同意を得なければなりません。
・使用者は、裁量労働制に同意をしなかった当該労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない

(要件7)報告
届け出をした使用者は、定期的に、労働者の健康・福祉を確保するための措置の実施状況を、所轄労働基準監督署長に報告しなければなりません。

(要件8)労使委員会決議の労使協定代替性
平成10年労働基準法改正で導入された労使委員会は、その要件からみて、実質上当該事業場の労働者の過半数の意思を反映しているとみることができ、労使委員会の決議、法定の労使協定に代わるものと考えられます。

そこで、労使協定の締結対象事項のうち、貯蓄金管理(18条2項)、賃金一部控除(24条1項但書)以外の事項については、当該事項に関する労使協定がなくとも、労使委員会決議があれば、採用しうるものとされています。

労働基準法第38条の4

1 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第三号に掲げる時間労働したものとみなす。
 一 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務(以下この条において「対象業務」という。)
 二 対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であつて、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるものの範囲
 三 対象業務に従事する前号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間として算定される時間
 四 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
 五 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
 六 使用者は、この項の規定により第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を対象業務に就かせたときは第三号に掲げる時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかつた当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
 七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2 前項の委員会は、次の各号に適合するものでなければならない。
 一 当該委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に厚生労働省令で定めるところにより任期を定めて指名されていること。
 二 当該委員会の議事について、厚生労働省令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存されるとともに、当該事業場の労働者に対する周知が図られていること。
 三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める要件
3 厚生労働大臣は、対象業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るために、労働政策審議会の意見を聴いて、第一項各号に掲げる事項その他同項の委員会が決議する事項について指針を定め、これを公表するものとする。
4 第一項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、同項第四号に規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。
5 第一項の委員会においてその委員の五分の四以上の多数による議決により第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項及び第二項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第二項及び第五項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書に規定する事項について決議が行われた場合における第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書の規定の適用については、第三十二条の二第一項中「協定」とあるのは「協定若しくは第三十八条の四第一項に規定する委員会の決議(第百六条第一項を除き、以下「決議」という。)」と、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第二項及び第五項から第七項まで、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書中「協定」とあるのは「協定又は決議」と、第三十二条の四第二項中「同意を得て」とあるのは「同意を得て、又は決議に基づき」と、第三十六条第一項中「届け出た場合」とあるのは「届け出た場合又は決議を行政官庁に届け出た場合」と、「その協定」とあるのは「その協定又は決議」と、同条第八項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」と、「当該協定」とあるのは「当該協定又は当該決議」と、同条第九項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」とする。





自由な働き方を認める「みなし労働」や「裁量労働」は、サービス残業の温床


労働基準法において、労働時間は一定の制限がかけられ、法定労働時間を超える分については割増賃金を支払わなければなりません。

しかし仕事を時間という尺度で換算するのは不適切な場合も多いものです。

労働の価値を時間ではなく成果で評価しようという成果主義も一般的になってきました。

「みなし労働」や「裁量労働」は、仕事を時間はなく成果で評価する究極の形態とも言えます。

労働時間に捉われず仕事をして一定の成果や基準を残していれば、どのように仕事をするかは幅広い自由と裁量があるのは素晴らしいでしょう。

しかし捉え方を変えれば、いくら働かせても残業代は一切払わなくてもいい都合のいい労働者になってしまいます。

過酷なノルマや、時間内に終わるはずもない過剰な業務も、「みなし労働」や「裁量労働」との名のもとに使用者の都合のいいように悪用されてしまうのです。

制度を悪用して労働者が無用に搾取されることのない労働環境を実現していかなければなりません。

専門職とは言えない通常の事務職にも、幅広く裁量労働制が適用することが可能だということですね。


裁量労働制が残業代支払いを免れるために悪用されるのを防ぐ必要がある気がします。


制度の濫用を防ぐために、労使委員会の決議や労働者個別の同意、労働者の健康福祉への配慮など、かなり厳格な要件が課されていますね。




テレワークと「みなし労働時間制度」


コロナウイルスの感染拡大が起きた2020年頃から急速に普及したテレワーク。

オフィスや通勤時などの狭い空間に多くの人が密集する状態が、感染拡大に拍車をかけることが懸念され自宅などでのテレワークが推奨されました。

インターネットによって情報通信機器を利用したリモートによるやり取りが一般化した現代社会で、必ずしも一定のオフィスへ通勤することなく仕事ができることが再認識されたのです。

こうしたテレワークで問題になるのが勤務(労働)時間の管理でした。

オフィスで仕事をしていれば必然的に管理できた労働時間の管理が及ばなくなり、労働者の自由度が増したとも言えるでしょう。

使用者による直接的な労働時間の管理がしにくいテレワークは、以下の一定の要件を満たせば労働基準法38条の2による「みなし労働時間制」の対象となります。
・情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと
・随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと
勤務時間中に、労働者が自分の意思で通信回線自体を切断することができないなど、労働者が情報通信機器から自分の意思で離れることができない場合は、「みなし労働」とは言えません。

いくらオフィスで面と向かって勤務時間を管理されていないとしても、PCやスマホなどの通信機器をある程度労働者の意志で切断できない場合は、オフィスで労働時間を管理されていると同じでしょう。

また使用者の指示が、業務の目的、目標、期限等の基本的事項にとどまらず、作業量や作業の時期、方法等を具体的に特定するものである場合も、「みなし労働」とは言えません。

いくら遠隔で仕事をしていても、一日の業務スケジュールが分刻みで具体的に指定されていれば、もはや「みなし労働」とは言い難いでしょう。

みなし労働時間制の場合、所定労働時間労働したものとみなすのが原則です。

事業者のオフィスでの勤務を行わないテレワークと言えでも、無条件で何でも「みなし労働時間制」の対象となるわけではありません。

労働者側に一定の自由や裁量があってこそ、「みなし労働」と言えるのです。

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