出生率低下による少子化と、平均寿命の延びによる高齢化による「介護市場」の拡大は止まらない。
高齢者の増加による介護需要の増加は、介護現場の深刻な人手不足を招いている。
それでも、劣悪労働と低待遇の悪いイメージから、新規人材採用も容易ではなく、職員の定着率も悪いのが現状だ。
しかし利用者が前向きに自分らしく生活できるようにサポートする介護の仕事には、他では味わうことが出来ないやりがいもある。
利用者やご家族からの感謝の言葉は何よりの励みだろう。
これからの社会に必要不可欠な介護業界と介護のお仕事の真相に迫ってみよう。
デイサービス(通所介護)とは
通所介護(デイサービス)は、要介護状態にある高齢者がデイサービスセンター等へ通い、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練を日帰りで行います。
基本的には、施設の方が自宅から施設まで送迎もしてくれます。
利用者が楽しく通えるように、書道、陶芸、生け花、リズム体操など様々なプログラムが用意されているのです。
デイサービスは外出したり、人と触れ合ったりできるため、閉じこもりや孤立を防ぐことにつながります。
また介護する家族の方にとっても、デイサービスを利用している間は介護から解放されますので、気分転換ができるでしょう。
リハビリテーションを必要とする場合は、通所リハビリテーション(デイケア)の利用が適切と考えられます。
デイサービスの中でも、機能訓練指導員によるパワーリハビリテーションを行える施設が多くなっています。
2016年4月より、通所介護事業所のうち利用定員が18人以下の事業所では、「地域密着型通所介護」のサービスが提供されています。管轄は市区町村となります。
【介護職歴5年以下】デイサービス(通所介護)のお仕事
リハビリ型の通所介護施設で、意欲的な高齢者から元気をもらえる
性別 | 女性 |
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年齢 | 31歳 |
勤務場所 | デイサービス(通所介護) |
勤務期間 | 27歳(2017年)から |
資格 | 介護福祉士 |
フルタイム(1年目) | 年収300-330万円 |
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フルタイム(2年目以降) | 年収330-380万円 |

私はリハビリ型の通所介護施設にて勤務をしていて、約3年と8カ月勤務(2021年現在)しています。
介護のお仕事は、人の為にした行為が、そのまま自分自身に言葉として帰ってくるものです。
常日頃から相手に何かをしてあげれば、「ありがとう」と言葉を掛けてもらうのは珍しくはありません。
しかし、病気で身体が不自由になられた方は本当に、心から「ありがとう」と言ってくれているというのが感じ取れるのです。
また、リハビリのために来所し、当初車椅子での生活を送られていた方が、リハビリを介して筋肉が付き、歩行が出来るようになったなど、その人自身の自立度が上がった時の喜びは格別です。
一緒に機能訓練体操やよくある筋肉トレーニングマシンを用いたパワーリハビリを行っているので、その方が徐々に元気になっていくというのは嬉しく思います。
ご高齢の方でもまだまだ意欲が強くあり、私自身「まだまだ負けてられないな」という気持ちにさせられる事すらあるのです。
人の役に立てる、応援できる喜びというのをこの4年弱で気付くことができたので、今後はケアマネジャーの資格を取得し、より身近な存在として接していけたらと考えています。
一方で、介護のお仕事の大変なことは、腰痛になりやすい事だと思います。
私は20歳頃に父の遺伝による椎間板ヘルニアを患い、以前から腰痛に悩まされています。
ですが筋力トレーニングやストレッチ等で腰の痛みはなくなりました。
それでも、車椅子に乗られた高齢者の方の椅子からベッドへ、椅子からトイレへ・入浴介助時の洗体でと、移乗等する際に腰への負担が多くかかります。
そのほかにも中腰姿勢での筋力トレーニングマシンの設定やベッドメイクなど、体に負荷がかかる姿勢での作業場面が多々存在します。
以前までは余程の事がない限りセルフケアにて体調を管理ができていましたが、今では定期的に整体・整骨院に通うようになりました。
また、私が勤める施設はリハビリ型の通所介護なので、皆様意欲を持って来所されるのですが、中には家族に無理やり入所させられて、「こんなところ来たくないと、リハビリに無関心かつ暴れられる方もやはりいらっしゃいます。
利用者様には初回利用時と3カ月毎に体力測定を行うのですが、そのような不本意にリハビリに来所される方の体力測定は大変です。
マシンの重さ設定をしようとすると、車椅子からの移乗の際に「こんなことはしたくない」と抱えている状態で暴れられ、バランスを崩し倒れそうになったのを無理な姿勢で踏ん張り支えたせいか、ギックリ腰になってしまい1週間ほどまともに動けなかったことがありました。
突然怒られ苦労することもあるものの、利用者の楽しんで切る姿が励み
性別 | 女性 |
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年齢 | 44歳 |
勤務場所 | デイサービス(通所介護) |
勤務期間 | 28歳から2年程 |
資格 | ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修) |
フルタイム | 年収300-350万円 |
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デイサービスでは、朝ご自宅にお迎えに行き、日中は施設で過ごしお昼を召し上がっていただいて、夕方にご自宅までお送りするといった流れです。
日中は施設によって様々なサービスがありますが、私の働いていた施設では足湯やカラオケ、ちょっとしたゲームなどが行われていました。
お話し好きな利用者様や歌が好きな利用者様はとても楽しんで過ごしています。
どうしたら利用者様に楽しく過ごして頂けるかを皆で話し合い、アイデアを出し合うところにやりがいを感じました。
訪問介護では、担当している利用者様のご自宅に訪問し、身体介護や身の回りのお世話をさせていただきます。
利用者様にご自宅でリラックスして過ごして頂けるよう、出来るだけ邪魔をせずにサービスをするように心掛けていました。
お掃除や料理に関しては、お話をしながら利用者様が今までやっていた掃除の仕方や料理の仕方を教えていただけるので大変勉強になります。
人生の大先輩なので色々な事を教えていただける、そこは本当にありがたい事です。
デイサービスに関しては、当たり前ですが利用者様お一人お一人の性格もあり、中には一人で過ごしたい方やそもそも施設に行きたくない方もおられます。
お迎えに行っても毎回「行きたくない」と拒否されるのでご家族の方と一緒に説得したりと大変です。
また毎回デイサービスに行くのを拒む60代くらいの認知症の男性の利用者様は、何とか説得して施設に来ていただいてもしばらくして急に「帰る」と言い出すのです。
説得すると怒り出して手が出る事もあり大変でした。
男性の職員と交代して何とか解決しましたが、コミュニケーションがうまく取れずに苦労します。
訪問介護では、80代の認知症の女性の利用者様のご自宅にサービスに行った時に事件が起こりました。
空気の入れ替えで窓を開けるのですが、開ける範囲が納得いかなかったのか急に怒り出し「帰れ!!」の一点張りでそれ以上何もさせてもらえずにケアマネージャーに来てもらう事態に発展。
利用者様のご自宅でサービスをするという事の難しさが分かりました。
当たり前ですが優しい方ばかりではないので、在宅は思っていたよりも大変です。
利用者を迎えに行ってからお別れするまで、一瞬一瞬が最高の思い出
性別 | 男性 |
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年齢 | 75歳 |
勤務場所 | デイサービス(通所介護) |
勤務期間 | 65歳(2011年)から2年間 |
資格 | ホームヘルパー2級です。 |

朝ご利用者様をお迎えに行く前に当日の出勤者でミーティングがあります。
当日の注意事項や前日からの申し送り事項などをメモ書きするのです。
8人乗り位のワゴン車でコースに分かれ、ご利用者様の自宅まで訪問します。
その時の体調の変化を読み取り、特別の処置を行います。 例えば車いすの方はそれなりの固定処置が必要です。
軽い方はシートベルトを着けてもらいます。
施設まで戻り、各御利用者様の指定席までご案内。お茶を出します。水分補給です。
入浴の準備に取り掛かり、入浴介護の時間帯が2時間くらいで30人位の利用者をスタッフが当日入浴介護の担当と行います。
お昼ご飯までにほとんど全員の入浴を終わらせるのです。
昼食後の口腔ケア歯磨き、すすぎを介助。14時くらいまで静かに休息。その間トイレ介助あり。
14時以降アクテブタイムでさまさまな唄ありゲームありの全体行事を15時まで。
三時のおやつとお茶の時間があり、休息おしゃべりタイム。
16時ころからお帰りの支度。ワゴン車に誘導。
自宅まで送りとだけ、居残りの人は部屋の掃除、日報の作成・次の日の準備で終わります。
要介護の方とのコミュニケーションがうまくいったときは、報われたなと感じましたね。
何とかお役に立てましたとの思いです。
午前中の介護入浴が終わった御利用者様には、今日は何の日と記憶を呼び戻すための講習会的なものを行いました。これの下調べが大変です。
午後にはアクテイブタイムがあり、これの準備も時間がとられます。
趣味として復温ハーモニカを吹いてましたので、担当の時は演歌懐メロ子守歌と施設の備え付けの歌集でみんなで歌を歌うことができたときは楽しかったですね。
私よりもお兄さんおねーさんがご利用者様の年齢でしたから、懐メロは皆さんの心からの感情の発露です。
青い山脈などはリクエストとがおおい曲です。
帰りの工程での話に「今日の唄はよかったね。」と言われたときは嬉しかったですね。
弟分としての介護士として花を持たしてくれたのかなと今になりまして、つくずく思い出されます。
【介護職歴5~10年】デイサービス(通所介護)のお仕事
自分の介助で入居者が前向きに生き続けてくれることが何よりの励み
性別 | 女性 |
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年齢 | 46歳 |
勤務場所 | デイケア(通所リハビリテーション) |
勤務期間 | 30歳から39歳まで(2005~2014年) |
資格 | ヘルパー2級 |

朝自宅に送迎者で迎えに行くと「あなたのお迎えは嬉しい。社内で楽しく話ができる」と言われることがあります。
「小さい子どもを育てながら頑張っとる」と応援してくれる利用者の方がいました。
残念ながら利用者の方が亡くなることもありましたが、ご家族の方から「あなたがいつもリハビリに付き合ってくれて頑張っていると聞いていました」とお話してくれたこともあります。
動ない足や手を動かすリハビリは、利用者さまにとっても辛いことだと分かっていたので、あまり「頑張れ」と言いませんでした。
その代わり、リハビリが終わってお迎えに行ったときに「お疲れ様でした。ご無理なさらないで下さい」と声かけをするのです。
すると「あんたに言われたら、頑張れるわ」とリハビリに前向きな姿勢を見せてくれる利用者もいます。
トイレ介助も声かけしても「行かん!」と怒られる方もいましたが、根気強く声かけしているとある日を境に、普通にトイレに来てくれるようになった方もいました。
自動車いすで移動するほど体が動かない方のお風呂介助は、体力の消耗との戦いで毎回苦労します。
それでもお風呂から出てスッキリした顔で「ありがとう」と言われるとやりがいを感じるのです。
一方で利用者からのセクハラに悩まされた時期がありました。
認知は多少ありましたが、好意を持って近づいてきたり本当に困っています。
特にトイレ介助の時は狭い空間で2人きりになるので、体を触られる回数も多くて。
上司や先輩などにも相談しましたが、「あの人はそういう人だから」とあまり相談にも乗ってくれず。
距離を取るように自分で工夫をして…セクハラをされないようにしていました。
ある日、その利用者のご家族から連絡があって「足が張れている。職員に足を蹴られたと言っている。」と。
誰がやったのか…という犯人捜しが始まり、最初に疑われたのが私でした。
ただその足を蹴れられたと訴えがあった日は、私が休んでいたのですが、上司から呼び出され「正直に言いなさい」とずっと言い寄られ…説明しても信じてもらえなかったのです。
その後その足のケガはもともとの浮腫が原因で腫れていたことがわかり、何もなかった事になりました。
介護の現場では、トイレ介助や入浴介助など体力も使い汚いと思えることも多かったですが、それは仕事だからと割り切ってやれていました。
ただ職場の人間関係に疲れてしまって…信頼していた方が職場を辞めるタイミングで私も退職しました。
機能訓練メインのデイサービスで、利用者の身体機能回復を徹底的に後押し
性別 | 女性 |
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年齢 | 53歳 |
勤務場所 | デイサービス(通所介護) |
勤務期間 | 35歳(2017年)から10年程 |
資格 | なし |

整骨院併設のデイサービスでした。
柔道整復師の院長が機能訓練や身体能力の向上を目指して始めたデイサービスで、元々の患者様が多く通われていたのです。
半日のデイサービスで、筋肉増量のトレーニングや、発語トレーニング等をする間に、隣の部屋の整骨院へ治療を受けてもらいます。
介護職員全員に対して、整骨院業務とデイサービス業務を兼任できるような指導がありました。
そのため整骨院で患者さんが増えた時は、整骨院のサポートに従事します。
利用者さんも誘導して連れていくので、増えてきた場合はそのまま残って整骨院業務を終えたらデイサービスへ戻るという目まぐるしい業務形態でした。
午前と午後に分かれていて、午前の利用者さんを送ったら、そのままの車で午後の利用者さんを迎えにいきます。
いかに効率よくルートを探して、利用時間に間に合わせるかも工面します。
一応筋トレできるレベルの方がメインでしたが、介護5の方もいました。
機能訓練がメインなので、筋トレをして機能向上を実感できるのは楽しく、やりがいがありました。
しかし、が柔道整復師で整骨院の院長でもある責任者のワンマン経営に苦労したのです。
院長の思いつきを着実に実行出来ないとプレッシャーをかけられて、利用者さんの現実と板挟みになる事もありました。
院長も利用者を直したいしたい、向上させたいという気概があるので、利用者さんへの期待から、かなり高いハードルを設定してしまう事もあります。
向上できる方ばかりならいいのですが、出来ないことに落ち込む方もいらして、相談にや愚痴を聞く事も多々ありました。
そんな方なので、利用者さんとの衝突も多く、院長とケンカしてやめられた方も多数いたのです。
院長と古参の看護師は気が合うので、それが他の介護職員との軋轢を生み、介護職員もよくやめてました。
そんな空気は利用者さんや患者さんもわかるので、誰かがやめると何かを察してたようです。
福祉の仕事にかかわる人は、優しい人が多くて働きやすい
性別 | 女性 |
---|---|
年齢 | 65歳 |
勤務場所 | デイサービス(通所介護) |
勤務期間 | 58歳(2017年)から6年程 |
資格 | なし |

施設の通所者の送迎時に家族の人に大変感謝されるます。
また 利用者と情が通じると冗談言ったり、一緒に作業したりとても楽しいです。
カラオケの時間なんか楽しみにしている人が多くいました。
自分たちで装置セットして準備出来ます。
だいたい好きな歌は決まっていますが、本当に楽しまれている姿は格別です。
ゴツゴツした感じの男性でも選ぶ曲が若い女性的なムードのものだったりして感動します。
普段むっつりして無表情な人でも機嫌の良いときは鼻歌歌ったりテレビに合わせて踊ったりする姿も興味深いです。 こういった利用者の機嫌が良いときはこちらも嬉しいものです。
福祉は出口が見えにくいものです。
自分自身の心がいらいらしてたり利用者に対して鬱陶しいなとか思っていると、その感情が相手に伝わります。
そのため、利用者に対してマイナスの感情が無いように、自分にいい聞かせるようにしていました。
また、福祉の職場は優しい職員が多いと感じます。
退職した今でもラインでやりとりしている人2、3人います。
こちらからもっと働きかければ、もっと多くの人と連絡出来るでしょう。
振り返ると給料はまあまあですが良い経験でした。
一方で、もちろん大変なことも少なからずあります。
利用者が行方不明になったり、利用者同士けんかしたり、利用者が暴れて物を壊したりすることはよくよく注意して見守っていく必要あります。
おとなしい感じの利用者でも職員を殴って怪我させた事ありした。その職員結局退職しました。
職場にあう合わないがありまが、この職場が好きで働いていても、利用者の扱いが荒いという理由で退職させられた人います。
また、どの職場にも主の様な人がいまして、その人とが折り合いが悪く辞める人もけっこう多いです。これが悲しいです。
もう少し我慢すれば何とか勤められるのにと思います。
特に若い人や看護師資格持っている人など人間関係で辞める人多い様です。
それと意外ですが宗教的な理由でお誕生日会やクリスマス会をしたくない人がいます。私は何とも有りませでした。 誕生日プレゼント購入係でした。
毎年冬になるとインフルエンザがはやり職場では予防ワクチンさせられます。
一応任意ではありますが業務命令のよいなムードです。
【介護職歴10~20年】デイサービス(通所介護)のお仕事
日帰りでの入浴や食事の介助がメインで、ご家族からの感謝の言葉が最高のやりがい
性別 | 男性 |
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年齢 | 47歳 |
勤務場所 | サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、デイサービス(通所介護) |
勤務期間 | 28歳(2003年)から |
資格 | 福祉用具専門相談員、介護支援専門員 |
フルタイム(1~10年目) | 年収250万円程度 |
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フルタイム(10年目以降) | 年収280万円 |

デイサービスのお仕事をしていた時、まず朝一にお迎えの準備をします。
本日来所される方の確認等の準備が出来たら送迎車でお迎えです。
車に乗車していただいたら施設まで戻って来所時のチェックをします。
主にバイタルチェックといって血圧や体温を測るのです。
終わったら次は入浴です。
デイサービスの来所の目的の一つに入浴があります。
自宅では入浴できなかったり拒否される方も少なくありません。午前中はここまででお終いです。
入浴が段落したら昼食の支援します。エプロンを付けてあげたり認知症の方に「お昼ご飯ですよ~」と声掛けしてあげたり、場合によってはスプーンを持たせてあげたりなど必要な支援を行います。
午後は再び入浴です。
その日の入浴の予定が全て終わったら次はレクリエーション。
体を動かす体操や簡単なゲーム、脳トレなどを行います。
男性の利用者さんと将棋対決をすることもあります。レクリエーションが終わると次は散歩です。
散歩といっても近場を10分くらいです。終わりましたら今日の予定はほぼ終わり。
送迎の準備をして利用者さんをご自宅まで送り届けます。ご家族様がいらっしゃる場合はその日のご様子の報告等を行います。施設に戻ってお仕事終了です。
ご利用者さんと長い時間ご一緒させていただくのでやりがいも苦労もあります。
ご家族様から「いつもありがとう」と感謝のお言葉をいただくと、とても励みになり次も頑張ろうと想えるのです。
脳梗塞などで体が不自由な方の入浴なども、ご家庭では難しい事も多いかと思います。
その時はご利用者様のスッキリしたお顔と、感謝のお言葉をいただいたときのやりがいは格別です。
苦労する事といえばやはり認知症の方でしょうか。
認知症といっても症状の軽い方から重い方まで様々です。
比較的軽い方ならさほど苦労も無いのですが、重い方ですと施設から勝手に外出しようとしたり(これは帰宅願望と思われます)大声を出してみたり、他の利用者さんとトラブルになる事もあります。
それを止めたり宥めたりしなければなりません。
認知症の方で多かったのは入浴の拒否です。もう何日も入浴されない方もいらっしゃいます。
入浴したくなるように説得したり誘導したりは大変でした。
これ以上はないくらい大変な仕事でも、それ以上のやりがいを感じる瞬間がある
性別 | 男性 |
---|---|
年齢 | 39歳 |
勤務場所 | 介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、デイケア(通所リハビリテーション)、デイサービス(通所介護) |
勤務期間 | 19歳(2002年)から36歳まで |
資格 | 介護福祉士 |
フルタイム | 年収250~450万円程度 |
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通所介護(デイサービス)は、朝ご自宅に車や徒歩にてお迎えに行き、昼過ぎまたは夕方にまた徒歩や車でお送りするお仕事です。
中には介護度5の方もいますが、通所介護では介護度が軽めの方が主に利用されています。
施設では入浴をして頂いたり、お食事を楽しんで頂いたり、利用されておられる方々とレクリエーションを楽しむのです。
特別養護老人ホームは入所型の施設で、介護度の方も様々で、主に自宅一人で過ごすことが困難な方(重度の方)がメインの施設となっています。
施設では通所介護と違い、個室の部屋など用意されており、そこで寝泊りするのです。
ターミナルケアと言って、そこで生涯を終えられる方もいらっしゃいます。
介護付き有料老人ホームは、特別養護老人ホームの少し高級な施設と思っていただければいいでしょう。
料金もお高めで、お金に余裕のある方が住まれています。
苦労話をしはじめたら止まりませんが、一番大変だったことは、通所介護(デイサービス)の職員時代です。
なかなか入浴して頂けない利用者の方がいらっしゃいました。
以前はアスリートだったらしい男性は、身体も大きくて筋肉質。そして見るからに骨太。
ご家族の方は自宅では絶対に入浴してくれないとのことで、デイサービスで入浴してもらいたとのことでした。
デイサービスでももちろん入浴してもらえず、最終ご家族にも了解を得て5人がかりで入浴して頂いたのを覚えています。
片手に職員一人、片足に職員一人、もう一人は洗う役。計5人がかり。もう脚係になったら最悪でした。
頭から便をかぶった時もあります。もうこれ以上の方はいないだろうというぐらい大変な方でした。でもやりがいもあります。
ほんとにまれに機嫌がいい日があって、3人態勢で入浴して頂ける日がありました。
入浴後には「スッキリしたわ」と言って頂けるときもあり、ほんとにその時は嬉しかったですね。すごくすごくやりがいを感じた瞬間です。
【介護職歴20年以上】デイサービス(通所介護)のお仕事
仕事をしているだけで「ありがとう」の言葉が貰えるのが介護職の醍醐味
性別 | 女性 |
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年齢 | 42歳 |
勤務場所 | デイサービス(通所介護)、介護老人保健施設 |
勤務期間 | 23歳(1999年)から |
資格 | ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修) |

仕事をしているだけで「ありがとう」と感謝の言葉を伝えてもらえるのが、介護の仕事でとても嬉しく感じるときです。
こちらはあくまでの仕事としてやっているのですが、他業種で勤務している時は顧客からクレームを受けるなどして大変苦労することが多くありました。
しかし介護職は相手は何かしらの介護を必要とする人たちが多く、私たちがいないと活動できないと思う人も多いため、日常的に感謝の言葉をいただけます。
また特にデイサービスの利用者は認知がそれほど進んでいない人も多く、それでいて自宅で普段は1人で過ごしていて寂しい思いをしていることからデイサービスに楽しみに来ている人も多いです。
そのような利用者はとても親切な人が多い上、話しかけるととても嬉しそうにしています。
またレクリエーションなどは熱心にやっている人も多く、やっているこちらも楽しめます。
一応お金をもらう仕事ではありますが、時に利用者と一緒に楽しむことができるのは他の業種ではなかなか実現しないので、かなりやりがいを感じていました。
一方で認知症の高齢者の介護についてはかなり苦労します。
話していることが全く通じない人も多い上、時には暴言や暴力を振るう人もいます。
実際に私は暴力行為のある利用者から顔を殴られてしまい、視力が低下してしまいました。
他業種であればこのような状態であれば労災認定されるでしょう。
しかし当時勤務していた介護老人保健施設は経営母体が医療法人であり、そこで適当に診察して労災は認定しないということが常態化していたのです。
そのため中には利用者からの暴力による負傷が原因で退職した人もいます。
また極度の人手不足から夜勤業務は50名を1人で介護することになっており、一晩で延べ100回以上のおむつ交換を1人でしていました。
もちろんワンオペ夜勤なので仮眠はもちろん、休憩さえ取ることもできず、夜勤明けの帰宅時に交通事故を起こしたという職員が後を絶ちません。
一方でデイサービスでは比較的認知が進んでいない利用者も多く、男性の中には職員に対してセクハラ行為をする人がいました。
私も胸やお尻を触られたり、人気のないところに連れていかれて抱きつかれて服を脱がされそうになるなどのセクハラ行為は何度か受けています。
他業種であればそのような行為を来客がすれば、速攻で警察に通報するのかもしれませんが、介護施設での場合は相手に認知症があるとの理由で上司に訴えても注意程度にとどめられてしまいます。
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