新人に優しくしなさいの弊害、新社会人に意識してほしいポイント

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1990年半ばから2010年代生まれの世代であるZ世代が新社会人として入社してくる昨今。

新社会人に対して上の世代の人間が「今の若者は…」と嘆く光景は、どの時代でも見られるものでしょう。

生まれた時からネット環境に囲まれ、特にITスキルに関しては上司よりも能力が高いなんて現象もよく聞かれるようになりました。

それでも会社組織の中では社会人として一定のマナーや礼儀作法が求められることも多いです。

そうした礼儀作法や基本的な社会人としての素養が欠如している割に、特定に分野に対して抜きんでた能力を持つ新人に対して快く思わない上司や先輩は多いでしょう。

一種のジェネレーションギャップだと言えばそれまでですが、新社会人の一体どんな振る舞いが上司や先輩の常識からズレているのでしょうか。

10年前の上司と同じことを思う自分がいる不思議


大学卒業したて比較的高学歴の新人に良くありがちなのが、基本的なハードスキルが伴っていないのにもかかわらず、変に自尊心だけ高いケースです。

ワードやエクセルなどの基本操作や、エクセルの基本関数を使いこなせなかったり、電話対応や敬語の使い方ぎこちない事は非常に多いです。

仕事をする上での基本中の基本のハードスキルが、全然ダメなにもかかわらず、大学などで小難しいことをお勉強してきた分、発言と態度は一丁前。

指示なしでは仕事を進められないにも関わらず、指示したことを途中で投げ出すなど、社会人として仕事をする基本的な姿勢が備わってないことも珍しくありません。

根拠のない自信と勢いは若さの特権ではありますが、そのような分不相応の振る舞いが、周囲からは鼻につく場合も多いものです。

下の世代の振る舞いに苛立ちながら、10年弱前の自分の仕事ぶりを思い出し、怒っちゃいけないと怒りを抑える日々は意外にストレスが多いもの。



新人に優しく、過保護に教育することが成長を阻害する


とにかく苦労することが美徳のような考えが望ましいことではないでしょう。

出来るだけ合理的にスキルを身につけられることは素晴らしいことです。

しかし、任せるべき仕事を任せず、注意すべきことを注意しないで、過保護に接することが、若者とって望ましいことばかりではありません。

もちろん、若いからといって、一概に下に見てはいけないのは確かです。若くたって有能な人は有能ですし、若い人の方が総じて能力が高い分野だってあったりします。

意欲のある人は、放っておいても成長していくものですし、余計な口出しをすることが、かえって意欲を阻害することすらあります。

しかし、厄介なのは、何も出来ない割りに、その自覚も意欲もないタイプの人です。

意欲はあるけど、何から何まで社会人の基礎がなってない割に、その事に無自覚な若者は、多いものです。

むしろ、そういう若者が大半です。

悔しいけど自分より優秀で、凄い奴だなと感じる若手もいるのは間違いないでしょうけど、ほとんどの新卒で入った若手は、おおよそ社会人の常識や社会人に求められる立ち振る舞いから有り得ないことをするものです。

初めての社会人生活で右も左もわからない中、時になぜ相手を怒らせたのかも理解できず、辛い思いをしながら社会人としての素養を身に着けていく場合が大半です。

オジサンの小言だとは思いながら、果たすべき責任を果たさず、やるべきことをやらないのであれば、しっかり指導することがやはり必要なのでしょう。





パワハラ・セクハラ、若手の早期退職の悪循環


もともと人口の少ない若手の早期退職による人材難や、セクハラやパワハラなどのハラスメント行為に対する問題意識が強くなっている昨今において、若手の扱いには過敏になっているのが現状です。

確かに、無意味に先輩ずらしたり、若い人に不必要に高圧的に接し、マウントを取りたがるウザい先輩や上司はいつの時代もいるものです。

また、雑用ばかりやらされたり、理不尽で無駄な業務や仕事と関係ない飲み会などで、無意味に若手が疲弊するような職場の実態もあったのも事実でしょう。

大企業ほど、責任をもって仕事を任されるまでの下積み期間が必要以上に永く、何のスキルも身に付かないと不満に思う若手も多いことでしょう。

「なんでこんな奴に指導されなきゃいけないんだ」と思う無能な上司だったり、理不尽な言動が多く尊敬に値しない上司も少なくないのは確かです。

それでも、例え言われた時は嫌な気になっても、間違っていることを正したり、ダメなところを注意したりすることは、絶対に必要です。

若手に優しくすることだけが美徳で、若手の扱いに異常に神経質になる風潮には疑問を持つ人も多いことでしょう。









若手を過保護にしないで辞められたら大変という顛末


新たに入った新人に簡単で業務しか与えず、ひたすら優しく、親切に接する上司が増えました。

前途有望な若者に対して、社会人としての素養や業務知識を詰め込み、追い込まれた若手が早期で辞めてしまうことは、会社にとっても大きな損失です。

会社の人事部も新人の扱いには目を光らせていますし、新人を追い込んで辞めさせれば、上司が責められる始末です。

下手に厳しく仕事を教え込んで、部下に辞められるよりは、自ら仕事を抱え込んでしまう上司が最近はかなり増えました。

部下が潰れるより、自分でやってしまった方がまだましだという発想からです。

もちろん、無理に詰め込んで仕事を教えなくても、主体的に成長していく人もいるでしょう。

一から十まで教えてあげなければできない人や、指示しなければやらない人も多いのが実情です。

また、積極的に成長しようという意欲のある人は、黙っていても成長していきますし、下手に口うるさく指導すると逆に成長を阻害してしまう場合もあります。

今後は、会社や先輩が新人を育ててくれることはドンドン少なくなり、自分からスキルを向上させようとする意欲のない人は、まったく成長することなく、淘汰されていくことになるでしょう。



「若手の方が柔軟性があって、ITスキルが高い」は必ずしも真実ではない


若手の方がITスキルが高く、新しいことを素直に吸収でき、新たな環境への対応力も高いとよく言われます。

これはまあ真実な一面もあるでしょう。

物心が付いたころから携帯電話やインターネットが日常生活に浸透していた若い世代ほど、IT機器への馴染みが強いものです。

オジサンが太刀打ちできな程のITリテラシーが高い若者も少なくないでしょう。

しかし、仕事で必須のエクセルやワードなどのドキュメンテーションスキルに関して言えば、社会人経験がない若手は意外にできないことも多い印象を受けます。

スマホを使ったタッチパネルの操作や、検索から情報を調べだすことはやっても、データの整理や処理、ビジネス文書の作成は、ほとんどできないのです。

またウェブサイトの作成や、マクロやHTML等の簡単なプログラミング知識に関しても、webサイト作成経験があったり、専門的な教育を受けていないと出来るものではありません。

反対に、それなりの社会人経験がある人でエクセルやワードの基本操作が分からないという人は、中々いません。

いくら幼少期からインターネット環境に恵まれていても、ビジネス的なITスキルが必ずしも身についているというわけではないのです。



「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」ってやっぱり重要?


新人や若手にありがちなのは、ホウレンソウの基本がなっていないことです。

重要なことや、自分だけで判断できないことは上司に伝達すべきは当然ですが、何でもかんでも上司に言えばいいものではありません。

ある程度自分で仕事を完結させてから報告すべきことも多いですし、逐一言わなくてもいいようなこともあります。

自分だけの勝手な判断で、大問題に発展してしまうこともあるため、上司への「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」はもちろん重要です。

それでも、何を上司に言って、何を自分の判断で行うかのさじ加減は、自分の置かれている組織内での立ち位置や、上司の方針にも左右されるため、一概に正解をいえるものではないでしょう。

上司への報告が定例の業務としてルーティン化している場合は、それに従えばいいのですが、多くの場合自分での判断が求められます。

若手や新人にありがちなのが、上司への「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」のさじ加減が下手くそな場合です。

そんな些細なことでいちいち相談してくるなよと言うことも多いですし、重要な判断を勝手に決めてしまうこともあります。

このような、上司に伝達すべきことと、そうでないことの区分けに対して、慣れるまでは敏感になった方がいいでしょう。



直属の上司を飛び越えて、その上の上司に相談しないのが基本


新人で会社で勤めだすと、自分の上には何人もの上司がいる場合があります。

直属の上司が係長で、その上の上司が課長補佐で、その上に課長、部長と続くでしょう。

基本的には、直属の上司を飛び越えて、その上の上司に相談や報告をするのは避けるのが常識です。

部下を持つとよくわかりますが、上司というのは、部下が自分の把握してない案件に関して、さらに上の上司に持ち掛けられることを嫌う傾向にあります。

もちろんケースバイケースではありますが、部下のやった仕事には上司にも責任が及ぶもので、上司は部下の仕事の内容や成果を知る必要があるのです。

自分の知らないところで、部下がさらに上の上司に仕事の相談を持ち掛けると、上司は自分が蔑ろにされたと思ってしまうものです。

もちろん、形式上は上司でも、部下が一切の権限をもって職務を遂行している場合もありますので、場合によっては上司への報告は不要なこともあるでしょう。

また業務に直接関係ない一人の先輩として相談する場合であれば、飛び越し相談も問題ないでしょう。

重要なのは、形式上でも指揮命令関係にある直属の上司が、自分が蔑ろにされたと思ってしまうような仕事の仕方はしないことです。



電話対応の基本フレーズくらい覚えよう


特に若い男性新入社員に多いのが、電話対応のあまりに下手な人です。

言葉だけで瞬時にやり取りしなければならず、用件を的確に把握し、相手に不快感を与えないように、担当者に取り次ぐことに苦手意識をもつ人も少なくありません。

日常会話は達者なのに、何故か電話対応が異常に下手な新人も多いのが実情です。

しかし実は、電話対応で使うフレーズはある程度決まっており、決められたフレーズを繋ぎ合わせて対応することで、多くの事例は対処できます。

電話対応に苦手意識を持っている新人ほど、まず決まりきったフレーズを覚えることで、見違えるほど電話対応能力は向上します。

電話が聞こえないとき

【不正解】「もしもし、聞こえないんですけど」⇒【正解】「お電話が遠いようですが」

相手の電話の声が聞こえない時、相手にダイレクトに「聞こえない」というのは、マナー違反。

相手の連絡先と名前を聞き返すとき

「恐れ入ります、(もう一度)お名前とご連絡先を教えていただいてもよろしいですか」

担当者が不在で、電話を取り次ぐときに、相手の名前と連絡先を聞いてないというミスをよく犯しがちです。

電話の冒頭で名前を名乗っていることが多いものですが、改めて聞き直す際は、ある程度定型の言い方があります。

身内に尊敬語を使わない

【不正解】「○○は、今いらっしゃいませんので」「○○は、今日休んでいらっしゃいますので」⇒【正解】「○○は、今不在です」「○○は、本日お休みをいただいております」「○○は、席を空けております」

丁寧に応対しなければいけないと思う気持ちから、身内に尊敬語を使う人も多いです。

中には、間違った敬語を使っていることに気づいてない人もいますが、ある程度フレーズで覚えていれば間違えることはないはずです。

「折り返し電話します」と「電話をかけ直す」の違いがわからない!

かかってきた電話に対してかけ直すときは、「折り返し電話します」ですが、一度かけた電話を再びかけ直す場合は、「(電話を)かけ直す」です。当たり前ですが、結構な高学歴の人が使い間違えていました。





相手の立場や地位を考慮して対応しよう


社会人経験の乏しい新人によくありがちなのが、職場の人間関係と友達同士の関係の区別がついていないことです。

職場の同僚や先輩に友達のような馴れ馴れしい言葉遣いを使ったり、年の離れた先輩に自ら下世話な話をするのは絶対にNGです。

もちろん親密になった同僚と分け隔てなく話すのは結構なことですが、立場や年齢が明らかに上の人に対して、たとえ相手がフレンドリーに接してきたとしても、丁重に接するのが基本です。

このように社会人経験の乏しい若手は、往々にして職場の人との距離感の取り方がズレてる傾向にあります。

また、職場以外でも、重要な取引先や顧客に対しては、自分より目上の存在として最新の注意を払い丁重に接するのが常識です。

会社に利益をもたらしてくれる取引先や、受託先企業は、ビジネス上最重要な相手でご機嫌を損ねるのはご法度であるという意識が必要です。







本音と建前の区別がつかない


世の中には、ホントはダメだけど黙認されていることや、正論と実情が乖離していることが日常茶飯事です。

横断歩道を信号無視すれば、道路交通法違反ですが、車が殆ど通らない歩道を赤信号で渡ったくらいで罰を受けることは考えられません。

21時以降の残業が禁止されていても、仕事が立て込んで残業せざるを得ない中、隠れて残業することを黙認せざるを得ないこともあるでしょう。

ホントはズル休みじゃないかと疑わしくても、医師の診断書を提出して病気だと主張されれば、表向きは病気休暇を認めざるを得ないものです。

世の中は、本音と建前という矛盾で成り立っており、本音は分かっていても表向きの建前を貫かなければならないことも多いのです。

ところが新人社会人の中には、本音と建前の区別をつけられない人が散見されます。

書類の書き方を少し間違ったとしても黙認できる程度である場合、わざわざ修正しなくてもいいと指示しますが、正論で言えば修正するべきなのです。

つまりホントはダメだけど黙認するということなのですが、指示する側は「黙認する」とは表立っては言いにくいもの。

このような事情をなぜか理解できない若手は、誤った書類の書き方を「認めてもらった」と勘違いします。

仕事をしているとルールや正論通りにならないことに数多く遭遇するもの。

そのような時に、ホントはダメだけど、黙認せざるを得ないことも多く存在するのです。

そして、現実には認めていても、ホントはダメな場合には、表立って「認める」とは口が裂けても言えないのが社会人です。

社会人として活動していくには、「教科書通りの理屈」と「現場の実情」の両方を考慮に入れて物事を判断するようにしましょう。



杓子定規な対応しかできない新人ビジネスマンに唖然


ある程度裁量権をもって仕事をするようになると、利害が対立したり、複雑な利害関係の当事者間の折衝や調整が必要となる場合も多いです。

それぞれの当事者の思惑や本音を把握し、上手く落としどころを見つけることがビジネスマンとしての腕の見せ所です。

しかし、よく新人の社会人にありがちなのが、相手の言うことをそのままの意味で解釈し実行してしまった結果、事態を混乱させてしまうことです。

複数当事者の日程調整一つでも、お互いの希望が完全に一致しないことも珍しくありません。

当然のことならがビジネスの予定など流動的で、相手にも優先順位があるなかで、希望を伝えているはずです。

希望通りじゃなくても、相手の事情を鑑みて、妥協できる範囲で、当事者間の日程を上手く調整するのが、ビジネスマンとしての基本です。

ところが杓子定規で融通の利かない新人ビジネスマンは、相手の希望をまるで「伝言ゲーム」のように他の当事者に伝え、機械的にを合わせようとするあまり、いつまでたっても予定が決まらないで時間ばかり過ぎるといった事態が起きてしまうのです。

また、利害の対立する折衝では、お互いに自らの都合のいいように話を進めようとしますが、状況によっては妥協して折り合うことも考えているのが普通です。

ところが相手の言葉を杓子定規にしか捉えず、うまく相手の妥協を探り、落としどころを見つける努力をしないと、議論が暗礁にのりあげてしまいます。

簡単な調整一つできない新人だとのレッテルを貼られないためにも、「複数当事者の利害を上手く調整する」のができるビジネスマンの基本だという認識は忘れないようにしましょう。





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