専門性とは何か?専門的職も実は単純労働の集まり!AI時代も単純労働を侮るな


多くの人が高いスキルで専門的な仕事ができることに高い価値や憧れを持つでしょう。

それでも一言に「専門性」といってもその意味は多種多様で複雑です。

一般的に専門性が高いと言われる仕事でも、実際は泥臭い作業や単純労働の繰り返しであることも珍しくありません。

「専門性」とは一体何なのか、その真相に迫ってみましょう。

会社に発生する雑用の数々


今も昔も会社には、多くの雑務が発生します。

コピーやスキャン、書類の整理、ファイルの整理、会議の準備や後かたずけ、などなど…

誰かがやらねばならぬ仕事であれども、誰も率先してやりたくない雑務は、立場の弱い新人などの若手に押し付けられるのが世の常です。

特に崩壊寸前の年功序列的な雇用慣行の会社であれば、尚更、若手に雑用の負担がのしかかるものです。

雑務を専門に行う事務員がいる場合もありますが、それでも特段専門スキルのいらない単純労働も世の中意外に多いものです。

誰でもできる雑用ばかりではなく、もっとスキルの身に付く仕事がしたいと嘆く若手社員はいつの時代も多くいます。

雑用ばかりで成長性が感じられないと、せっかく勝ち取った一流企業を早々と辞めていく優秀な若者も目立ちます。



単純作業からスキルを身に着ける方法


雑多に無秩序に積まれた大量の書類を、ただ整理するという一見単純な雑用と思える仕事。

書類を整理する中で、大量の書類の内容を理解しようとすることで、自然と業務に対する知識や業務の流れに対する理解が深まったりします。

HTMLのコードの決められた箇所に、決められたテキストをひたすら張り付ける作業。

指示された通りやっているうちに、HTMLのタグの使い方が、何となくわかってくるものです。

テレアポのバイトで、ひたすら電話をかけまくって、同じスクリプトを何度も読んでるうちに、敬語や営業トークが自然に身につき、電話対応力が見違えるほど向上するものです。

言われたことを言われた通りにやったり、マニュアル通りのことをマニュアル通りやっているだけなのに、量をこなしていくうちに、思わぬスキルが身についていることがあります。

嫌々やっていたけれど、後で振り返ってみると、やってよかったと思うことが人生には誰しもあります。

単純作業の反復がスキルを向上させることは意外に多いのです。

そして、単純労働からも、一定のスキルを身に付けることは、気持ちの持ち方次第で可能なのです。



専門的と思われてる仕事も実は単純労働の塊


部下をマネジメントしながら仕事をするようになると、業務の切り分けを強く意識するはずです。

一連の業務をすべて自分で担うのではなく、部下に任せられるところは部下に任せることが必要になります。

マネジメントする部下の人数が増えれば増えるほど、真に必要な業務以外は、部下に任せることが多くなるでしょう。

あえて自社でやる必要のない簡易な業務は外注するという手段もあります。

このように自分以外の他者に業務をやってもらうにあたって、一連の業務を切り分けて細かく細分化していくという視点が大切になります。

一見専門的に見える仕事でも、その業務を細分化していくと、多くの仕事は単純作業の集合体であることに気づくはずです。

創造的な文章を書いたり、デザインを決定したり、複雑なプログラミングコードの構成を考えたりといった、一部のクリエイティブな業務以外は、単純な業務の組み合わせに過ぎない場合が多いのです。

もっと言えば、「専門的な仕事」であったり「クリエイティブな仕事」と言われるものは、単純業務が複雑に絡みあって構成されてるためこの事実に気づきにくいだけなのです。

このように考えていくと、専門性を身に着けるにあたって、単調な作業を軽視し過ぎることは危険なことなのかもしれません。



仕事を細分化して他人に任せる


多くの専門的と思われている業務も、実は単純労働の集合体という事実は、仕事を細分化して単純労働に落とし込みさえすれば、特段スキルがない人に任せることが可能になるということです。

大企業の管理職や、経営者が、自ら殆ど仕事をしなくても、業務が円滑にまわり、高額な報酬を手にしているのは、ほとんどの仕事を細分化して部下に請け負わせているからです。

さらに細分化した一定の範囲の業務を外注することで、大幅に負担を減らすことができます。

しかし現実問題、自分が遂行している業務はそんな単純な仕事ではないので、スキルのない人材には任せられないという場合も多いでしょう。

私が、初めて部下を持った時、その部下は、所謂非正規の単純労働者であり、自ら主体的に状況判断し、難解な業務を自力で遂行できるような人材ではありませんでした。

当初私は、具体的な指示を与えるのではなく、業務の概要と着地点だけを示し、細かな裁量権や業務の遂行方法は本人に任せようとしました。

それは私自身が、仕事の成果物以外で、その仕事を遂行する上での過程にあれこれと口を出されるのが嫌な人間だからです。

しかし、私のマネジメントは完全に裏目に出ました。

その部下の女性は、きっちりマニュアル化され、詳細な説明をした業務に関しては、正確にこなしてくれるしっかり者でした。

彼女は、私の大幅な裁量権を移譲する曖昧な指示で、どう仕事をすればいいかパニックになってしまったのです。

仕事を細分化して、業務の遂行方法を具体的に指示すると、極めて真面目にしっかりとこなしてくれます。

一方で、業務を細分化せずに、大幅な裁量権を与えた場合、彼女は何をどうすればいいかわからずパニックになってしまうのです。

私はこの時、多くの仕事は、細分化し、しっかりとしたマニュアル化することで、単純労働に落とし込めることに気づいたのです。



現代にも通ずるマルクスの唱えた分業論


複雑で難解な業務も細分化することで、単純労働になりうるわけですが、

マルクスが資本論で唱えた分業理論は、工場の作業行程を細分化して、特段スキルのない労働者に分業させる有効性を示しました。

仕事の細分化と分業化は、企業の生産性を向上させます。

しかし一方で業務の単純化やマニュアル化をもたらし、労働者のスキルを低下させます。

誰でもできる単純労働であれば、低スキルな労働者を低賃金で雇った方が合理的なのです。

オフィスワークを担うホワイトカラー労働者でも、業務の細分化と単純化は顕著で、一見専門的な仕事をしているようで、実は同じじような仕事を繰り返しているだけのサラリーマンは多いものです。

この業務の細分化と単純化は、組織規模の大きい大企業ほど顕著です。

組織規模が大きければ大きいほど、業務をより細かく細分化し、社員1人辺りの業務範囲は狭くなりがちです。

一見エリートに見える一流企業のサラリーマンが、実は単純な仕事を日々繰り返しているなんてことも、珍しくありません。

AI革命が叫ばれる中、AIに取って代わられやすい仕事の筆頭格がオフィスでの単純な事務作業だと言われています。

多くのオフィスワークは細分化すると単純労働に行きつきますが、単純労働と単純労働の間に、対人折衝や一定の創造性を伴う仕事も当然に発生します。

現実問題として、ある業務に特化して人間よりも効率的に業務をこなすAIやシステムが徐々に普及し始めてはいますが、臨機応変さやマルチタスクへの対応力などから人間にやらせるしかない仕事もまだまだ多いのです。

単純労働だから直ぐにAIに置換するのは、世間が騒ぐほど現実的ではないことも多いでしょう。



単純労働はホントに単純なのか


業務を細分化することで単純化し、他人に任せることで効率的な業務の遂行に繋がり、生産性が増大します。

しかし一見単純だと思える仕事でも、上手くこなせない人や、そもそも作業内容を上手く呑み込めない人もいます。

原稿のタイトルを規定の書式に張り付けるだけの作業でも、書式であるコードを扱えなかったり、タイトルの階層構造を理解できなかったりする者もいます。

領収書を整理して、金額をエクセルに打ち込んでいく作業でも、多彩な領収書の金額を取り違える人もいます。

慣れた人から見れば、特段スキルの必要のない単純作業のつもりで仕事を依頼しても、意図したことと違う仕事ぶりをしたり、思わぬところで躓いてしまう人も散見されます。

泥臭い単調な作業に思える仕事でも、ある程度のスキルが必要であり、依頼者にとってはあまりに当然すぎて、そのスキルの必要性に無自覚なだけだったりもします。

そもそも人間は、初めは難しく感じても、慣れると簡単で単純に思えるものです。

日々同じことを繰り返す中で、一定のスキルを要するにもかかわらず、単純作業だと錯覚してしまうのでしょう。

単純作業をシステム化しようとプログラミングしてみると、想像以上に複雑になったり、AIが上手く学習できないなんてことも開発現場ではよく起こります。

慣れた人間が軽々こなしているルーティーン業務が、実は多くの作業工程が複雑に絡み合っていることに気づかされることも多いのです。



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