セクハラに怯える中高年、パワハラに怯える管理職★ハラスメントを例示列挙する弊害

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セクハラ・パワハラなど、職場におけるハラスメントへの強化が図られている昨今。いつなんどきセクハラ・パワハラとでも言われないかと覚えている男性会社員は少なくないだろう。ハラスメントについて学べば学ぶほど、特に若い異性への発言が制約され、もはや下手に関わらない方がいいのではないかとさえ思ってしまう管理職もいるという。

しかし特にセクハラと言われてしまう人間にはある共通点がある。「○○な発言はセクハラ」「△△の発言もセクハラ」等々、セクハラとなってしまう発言や行動の例を一生懸命覚えるより、年の離れた若い異性がセクハラと感じてしまうメカニズムを理解しましょう。

1つの発言や言動だけでセクハラだと認定されてしまうことは、多くありません。相手の立場に応じた接し方をしていれば、相手がセクハラだと感じる可能性をほとんど排除できるものです。

ここでは職場におけるパワハラ・セクハラの本質を抑えましょう



セクハラの一般的定義


厚生労働省によって、職場におけるセクハラは以下のように定義されている。

 職場におけるセクシュアルハラスメントは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることです。 職場におけるセクシュアルハラスメントには、同性に対するものも含まれます。

職場における性的な言動によって、相手に不利益を与えたり就業環境が害されるものがセクハラだと抽象的に決められても多くの人が困惑するだろう。 そのためこれらの「性的言動」の具体例として以下の行為がセクハラと例示列挙されている。

①性的な内容の発言性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を流布すること、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、個人的な性的体験談を話すことなど ②性的な行動性的な関係を強要すること、必要なく身体へ接触すること、わいせつ図画を配布・掲示すること、強制わいせつ行為、強姦など



これらの「性的言動」によって、「労働者の意に反する性的な言動」および「就業環境を害される」の判断に当たっては、労働者の主観を重視しつつも、事業主の防止のための措置義務の対象となることを考えると一定の客観性が必要であるとされている。

客観的にみて誰もが明らかにセクハラだと認定される「性的言動」でなければ、受け手である労働者の主観が重要視されるのである。

同じような性的な冗談やからかいであっても、誰が誰に対して行うかで受け手の感情が異なるのが通常であることを考慮すれば、セクハラかどうかの認定はそもそも属人的に行われるものなのだ。

食事やデートへの誘いにしても、どんな相手に誘われるかで不快かどうかが変わってしまうだろう。

このような受け手の感じ方で属人的に決まってしまうことが、セクハラ問題の根の深さを物語っているのだ。



セクハラに該当する言動を列挙することの弊害


主に職場などで行われる性的な言動で、相手に精神的な苦痛を与えるセクハラに対する規制が、令和の時代になり厳しさを増している。

特に上司や年の離れた異性の先輩からなされることの多い性的な言動で、不快な思いをする人を救うのは大切だろう。

一方で、いつ何時自らの言動がセクハラと言われないか、戦々恐々と息苦しい毎日を過ごしている人も、特に男性管理職には多い。

特に年の離れた異性の部下に対して、食事や飲みに誘うことを躊躇するばかりでなく、下手プライベートへ踏み込んだ発言をすることすら神経質になる世の中。

少しプライベートな話をしてお互いの距離を縮めたり、一緒にランチで親交を深めることすら躊躇してしまう程、過敏にセクハラに気を遣わざるを得ない世の中を息苦しく思う人も多いだろう。

気心知れた人と飲みに行くこととは違って、上司や先輩と飲みに行ったりランチに行くことに乗り気でないのは一般的な感情だ。

まして年の離れた異性の部下と2人で飲みにでも行こうものなら、どんな疑いをかけられるかわからないだろう。

しかし悪意をもって相手を陥れようとする虚偽のセクハラの訴えでもなければ、実際にセクハラだとされるかどうかが受け手の感情に左右されるものである以上、セクハラに該当する事例を例示列挙したところで問題は解決しない。

「彼氏や彼女について聞いてはダメ」「結婚してない人に結婚についての話題を持ち掛けてはいけない」「年齢を聞いてはいけない」「飲みに誘ってはいけない」などなど

同じ言動でもなされた状況や人によって、相手の受け止め方がことなる以上、必要以上にセクハラの事例を例示列挙することは、職場における不要な委縮をもたらしかねないだろう。

逆に例示された事例にあたらなければセクハラではないと言わんばかりに、若い女性に下心丸出しの態度で接する中高年男性は後を立たない。

「○○をやってはダメ」とか、「○○を言ってはダメ」とかの次元ではなく、たいていの場合、好意もない相手から明らかな下心をもって接触されることに、人は不快感を感じるものだ。



セクハラ気質な人ほど、無自覚にセクハラ行為を繰り返す


「○○をやってはダメ」とか、「○○を言ってはダメ」となどのセクハラネガティブリストを周知したところで、セクハラ気質な人はネガティブリストに抵触しないように無自覚にセクハラ行為を繰り返します。

特に仕事において業務上の要件をダシにして下心全開の言動を繰り返す人は手に負えません。

立場の強い上司や先輩が、年の離れた異性に仕事の用事を切り口に、あの手この手でちょっかいをかける姿は醜い光景です。

それでも張本人にはセクハラしている自覚はなく、セクハラネガティブリストに触れていないで業務上のやり取りをしているだけだと言い張るでしょう。

一体その執念はどこから湧き出てくるのかと思うほどの執着心で、下心全開の言動を繰り返すセクハラ気質な人は、一定数存在します。

このような根っこからのセクハラ気質の中高年は、単にネガティブリストを提示するのではなく、根本的に考えを改めさせるか、医療的な治療を施さない限り改善は見込めません。

職場におけるセクハラを撲滅するために、「○○をやってはダメ」「○○を言ってはダメ」とネガティブリストを提示すると、下心なく相手を不快にしない真っ当なコミュニケーションまで阻害してしまいます。



イケメンと冴えないオジサンでは、セクハラの基準が違うのは当たり前


セクハラが受け手の主観によって属人的に判断されるものである以上、イケメンと冴えないオジサンを同列に考えてはいけないことは明らかである。

イケメンと話すプライベートな話題や、ちょっとした下ネタですら、相手から嫌がられるどころか喜ばれることも珍しくありません。憧れのイケメンやそうでなくても容姿端麗な男性から、少し突っ込んだ話しをして不快な思いをする女性はあまりいません。

反対に冴えないオジサンからプライベートに踏み込んだ発言をされるだけで面倒に感じてしまうのが人情ではないでしょうか。まして冴えないオジサンから食事やデートに誘われたら、上司だから断れなくても内心不快で面倒に感じてしまうのではないでしょうか。

女性が男性をデートや食事に誘う場合も話は同じです。

セクハラの定義を覚えたり、セクハラになる事例を行わないように敏感になる前に、特に年の離れた異性にどういう言動をすると不快になるか創造力を働かせることが大切です。

特に自分に自信があるあまりに、若い人から冴えないオジサンにしか見えないという自覚がない人は注意が必要です。容姿や人間性も含め、自分が若い異性から見ると、どのような立ち位置なのか謙虚に客観視してください。そうすればセクハラは相当程度回避できるはずです。



女性経験が少なく、モテた経験がない冴えないオジサンほどセクハラを繰り返す


私が実務の現場で目撃したセクハラ事案で多かったのが、いかにもモテたことのなく女性経験も少ない中高年が若い女性に過剰に粘着したり、必要以上に女性と戯れようと躍起になって起こったセクハラ事案です。

これまでモテたこともなければ、多くの女性と豊富に関係を持っと事もなく、いい年して女慣れしていな男性が、職場の地位もあがり若い女性を部下に持った途端、異常な執着を繰り返します。

仕事の上司であることを逆手に利用し、冴えなオッサンから、必要以上に距離の近い指導や下心を感じさせる言動を繰り返され、女性側の不満が爆発したのです。

これらは特に若いころに女性慣れしていない中高年上司が、若い女性に対しての接し方や距離感を見誤ったことが主な原因でしょう。

現実のセクハラ事案は、1度の失言や性的な言動で、即セクハラだと訴えらることは多くありません。日常の不必要で下心の感じる「性的言動」の連続に我慢が爆発してセクハラだと告発されてしまったのです。

真面目に生きてきて女性に恵まれなかった中高年男性ほど、神経質になって欲しい問題でしょう。



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