
ジェネレーションギャップという言葉があるように、産まれ生きてきた時代が異なれば、意見や考え方が合わなくなりがちなものだ。
幼少期や青年期を過ごした時代背景や世の中の風潮が、人の考え方や常識に大きな影響後与える。
オジサンにとっての常識は、若者にとっての非常識という事態が当然のように起こる。
会社組織で働いていると、上司や部下の世代によって、共通の特徴や傾向のあることに気づく。
2023年現在時点で50代の古参社員の多くは、日本が浮かれていたバブル時代に社会人になった世代だ。
バブル景気のイケイケドンドンの中での大量採用で、苦労せずに実力以上の会社に入った人が多いのが特徴である。
年功序列が当然で、長時間労働や仕事時間外での接待など、公使問わず会社に尽くすのが美徳とされた。
そんなバブル世代は、今や会社のお荷物となることも多い。
年功序列型の人事制度の遺産で、会社で高い地位と待遇を手にしてしまった割にロクに仕事をしない「働かないオジサン」問題。
そもそもデジタル化の進む時代の変化にまったく適応でずに役に立たない割に、態度と権限だけはでかい歪なパワーバランス。
そもそもバブル時代の煽りで実力以上の会社に就職したため、部下に比べて根本的に無能な人が多い傾向がある。
とくに歴史があって年功序列の足跡が色濃く残る企業ほど、2023年現在においてバブル世代の老害が上層部を占めている傾向にあるだろう。
筆者がここ数年で対峙した口だけ無能ヒラメ上司を例に、バブル世代の老害たちを一刀両断しよう。
基本的に無能で、社内の根回しや上のご機嫌取りだけに情熱を注ぐ
実務をこなす能力が低いのに、なぜか組織内でそれなりの評価を維持し続ける人が必ずいる。
社歴が永くて、特段大きな問題を起こすことなく無難に立ち回っているだけで、そこそこのポストにありつけるのが終身雇用で年功序列の特徴だ。
そのため役職が高い人ほど有能な人格者であるわけではないのは、社会人なら勘づくだろう。
筆者の直属の上司の一人にもバブル世代の無能上司(仮名:池田)がいた。
池田は口はよく動かすものの論理性は皆無で、簡単な事務作業も自分では出来ないようで部下に丸投げする有様。
業務内容に関しては何も言わずに追認するだけなので、余計な口出しをされることがなく個人的には気楽であった。
それでも上層部や他部署から何か言われようものなら、感情的に部下の仕事に干渉するものの、基本的に部下の業務内容に対する理解度も低く、話すだけで部下が疲弊するのだ。
中身は空っぽで無能なのに、上層部や他部署へのご機嫌取りや根回しだけ、異常な情熱を注ぐ姿に呆れる毎日だった。
口先だけ良いことを言う割に、実際には何もやらない
ヒラメ無能上司の池田は、今風に言えば陰キャで、遠目で見ると温厚で心優しい性格である。
池田は還暦を数年後に控えた課長であり、課内十数人の職員を束ねる管理職の立場なのだ。
筆者も直属の上司になるまでは、穏やかで温厚なイメージしか持っていなかった。
しかし池田の本性を知るまでに時間はかからなかった。
池田はとにかく「口だけ」なのだ。口先では思いやりのあり心優しい発言や、ときに威勢のいい正論を振りかざす割に、全く行動が伴わないのである。
業務の分担に偏りがあり、特定の社員に負担が集中している状況でも、負担を強いられる社員に対して定時退庁を小姑のように促す割に、時間外労働の根本原因は改善しようとしない。
病気休職中の社員業務を「代わりにオレがやる」と口では言う割に、実際は何もしない。
何をやるわけでもないのに、要領を得ない支離滅裂な意見を長々と言い続け部下の時間を奪う。
「オレがやる」と引き受けた仕事を、何カ月も放置した挙句、話をこじらせた状態で部下に丸投げする。
とにかく何十年も上手く社内を立ち回ってこれたことが不思議なほど、池田の社会人としての無能ブリを目の当たりにする毎日。
自己研鑽するわけでもなく、ただ年を取っただけの無能なオジサンが、年功序列型の人事制度のもと役職だけ自然に上がった状態だ。
役職が上がり年を取った分、見栄やプライドだけは一丁前にもかかわらず、肝心の中身はただの無能なオジサン。
そして池田と会話をすればするほどストレスが溜まるほど、的外れかつ非論理的な発言内容に疲弊する日々であった。
池田のような存在にこそ、日本の伝統的な雇用制度の負の側面が如実に泡われているのである。
こんな無能な人が自分の上司だと考えるだけで、仕事に対する絶望感を感じたのである。
会議や打ち合わせが好きで、仕事をしてますアピールだけ一生懸命
職場には必ずと言っていいほど会議や打ち合わせが好きな輩がいるものだ。
生産性の乏しい会議や打ち合わせを永遠に繰り返して、何もしてないのに「仕事をした気分」に浸る人は特に年齢が上の人に多い。
バブル世代の無能課長の池田も、事あるごとに打ち合わせやら話し合いをしたがる傾向にあった。
「ああでもない」「こうでもない」「そうでもない」と何を話し合っているのだかわからない会議や打ち合わせを繰り返すと、本人は仕事をした気分になり、周りからも仕事を頑張っているように見えがちだ。
もちろん顔と顔を突き合わして話し合ったり議論の機会を設けることも必要な場合もあるだろう。
しかし大して意味のない会議や打ち合わせをしたがる人は、往々にしてデスクでPCに向かって仕事をしたくない人や、ただ単に周囲に仕事をしてる感をアピールしたい人が大半である。
池田は基本的にPCでの簡単な事務作業も十分にこなせない。むしろ自分でやった方が早い事でも逐一部下に丸投げしてくるのだ。
簡単な事務作業をしたがらない代わりに、部下に対して何が言いたいのかわからない小言を長々としゃべり自己満足に浸っている。
バブル世代の面々が社会人になった1980年代、インターネットが一般に普及しておらず、職場で1人1台のPCが与えられる環境ではなかった。
もちろんWordやExcel、PowerPointなども日常的に操作することもなかっただろう。
アナログな作業とアナログなコミュニケーションを植え付けられ、その後の時代の変化に対応できなかった老害たち。
そんな彼らは、若い世代が短時間で当たり前にこなす事務作業も満足にできなく、意味のない会議や打ち合わせで部下たちの時間を奪って自己満足に浸ることしか出来ないのである。
小人者で、いつも何かに怯えている
老害ヒラメ課長の池田は、基本的に小人者でいつも何かに怯えている。
意味のない小言を部下たちにウジウジ言って、自らが抱えている不安を解消しているようにさえ見えるのだ。
池田が怯えているのは、具体的な業務についてではない。
上層部から言われた一言一句に過敏になり、常に上のご機嫌を損ねないように細心の注意を払っているのだ。
関係部署の課長から何かクレームをつけられようものなら、全力で相手のご機嫌取りに奔走する。
本来部署同士で利害が対立した場合、自分の課の利益を優先し、他部署と利害調整を図るのが筋である。
ところが池田は、相手部署のご機嫌取りに奔走するのだ。
まるでキャバクラ店が太客に媚びるように、自分の課の部下たちに無理難題を突き付け、対立部署のご機嫌取りに奔走する。
まさに怒りを通り越して呆れてしまうばかりである。
部下が自分より優秀な上司の宿命
好景気に世間が浮かれて、かつてない売り手市場での大量採用から実力以上の企業に就職した人も多いバブル世代。
本来なら入れなかった難易度の高い企業に入社した者たちに訪れる未来は、自分たちより優秀な後輩や部下に囲まれる日々である。
野心を持って高い目標を掲げるのは素晴らしいが、周囲が自分よりも優秀な環境は楽ではないはずだ。
高い志を持って高いレベルの周囲に食らいつき実力を高めたものもいれば、挫折してしまう者もいる。
はたまた自分の実力を何とか誤魔化しながら、騙しだましの日々を送るバブルの老害たちも少なくないだろう。
新卒で入った会社に運命を翻弄される日本企業の慣行は、今大転換を迎えつつあるのである。
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