英国株、欧州首位を奪還:労働党政権の政策期待と欧州の政治リスク

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2024年9月、欧州の株式市場では政治リスクを背景に投資家の動きが活発化しており、英国株の時価総額がフランスを上回り欧州首位に返り咲きました。英国の株式時価総額は8月末時点で約3兆4100億ドル(約500兆円)に達し、フランスの3兆2500億ドルを上回っています。この逆転は、7月の英国総選挙で労働党が圧勝し、14年ぶりに政権を奪還したことによる政策期待が追い風となったためです。

労働党は新規住宅150万戸の建設や再生可能エネルギーへの投資促進を公約に掲げており、こうした政策が住宅建設関連株の上昇を支えています。例えば、英国の住宅建設大手パーシモンの株価は、8月末時点で4月末比26%も上昇し、FTSE100種総合株価指数(3%高)のパフォーマンスをけん引しました。英国の景気回復局面も相まって、政策効果への期待が一層高まっている状況です。

一方、フランスの株式市場は政治的な不透明感から下落基調が続いています。6月にマクロン大統領が下院を解散し、7月の総選挙では左派連合「新人民戦線(NFP)」、中道与党連合、極右政党「国民連合(RN)」が議席を分け合う形となり、議会の安定性が失われました。新首相の指名も難航しており、辞職済みの内閣が異例の1カ月以上執務を続ける事態となっています。この混乱は、仏株価指数CAC40の4%下落にも影響を与え、特に金融株が軒並み値を下げています。ソシエテジェネラルは8月だけで14%安となりました。

また、フランス国内では財政拡大を訴える勢力が力を増しており、フランス国債の金利上昇(価格下落)懸念が浮上しています。このような政治不安はフランスに留まらず、欧州全体に広がっています。7月にはオランダで極右主導政権が誕生し、9月1日のドイツ・チューリンゲン州議会選挙では極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初の第1党に躍進しました。

SNSでは「英国株の復活に期待」「フランスの政治リスクがヨーロッパ全体に波及するのでは」といった意見が交わされ、特に欧州投資の行方に関心が集まっています。極右政党の台頭による政策リスクや脱炭素政策の後退など、さまざまな課題が浮き彫りになっており、各国の政治状況への注視が欠かせない状況です。

英国の政策が投資家に好意的に受け止められる中、フランスや欧州各国の政治的不安定がどのような影響をもたらすのか。欧州の株式市場は今後も波乱含みの展開が続きそうです。

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